“95歳”のラッセル車、今年も現役 線路内を除雪 弘南鉄道が試運転
本格的な雪のシーズンを前に、青森県平川市の弘南鉄道は6日、弘南線(弘前―黒石)の線路内を除雪する冬の名物、ラッセル車の試運転を行った。95年前に製造された車体は今年も現役で、社員らは冬季の安全運行に向け決意を新たにした。本運転は10日から始まる。 この日は雪の降る中、乗務員や駅の係員など約15人が車内を点検し、機械操作の訓練を実施した。レールに降り積もった雪をかく車体前部の「フランジャー」や、雪を線路脇に押し出す車体横の「ウイング」などの動作確認をした上で、試運転に出発した。 同社によると、ラッセル車は1929年に札幌市の旧国鉄苗穂工場で製造され、75年から同社が運行。黒石駅で待機し、レール上に約10センチの降雪があった場合や、運転士などから要請があった場合は、101年前の23年に製造された、より年長の機関車に押されて出動する。昨年は雪が少なく出動回数は4回にとどまったが、今年は平年並みの降雪が見込まれるため、同社の中田正志業務部長は「冬本番に向けて態勢を整えていきたい」と話した。【江沢雄志】