「年子ワンオペで眠れない…」「夜通し寝られたのは片手で数えられるほど」妊娠中・出産後のママたちの睡眠事情【専門家】
「とにかく休めるときに休む。大丈夫、いつか長く寝てくれる日はくる」と木戸先生
アンケートに回答した約300人の「たまひよ」アプリユーザーの傾向を見てみると、睡眠が足りないと感じているのは、卒乳前など乳児を育てている人がほとんどで、その次に多かったのが妊娠中の方でした。 そこで、産婦人科医の木戸道子さんに、妊娠期に睡眠をうまく取る方法や、子どもが夜中に起きる時期のママたちにできる対処法などについて聞きました。 「妊娠中のプレママと乳児のいるママは、とくに睡眠不足になりがちです。 妊娠中はホルモン変化により睡眠が浅くなり、ちょっとしたことーーたとえば家族が夜遅く帰ってきた物音などで目が覚めてしまうこともあります。 こうした変化は誰にでも起こりやすいもので、何か異常があるわけではないと理解しましょう。不要なストレスや不安を抱えなくて済みます。 妊娠中は心身の変化や今後の生活などについて不安になりがちで、さまざまなことが思い浮かんで眠れない、ということもあるかもしれません。寝付けない場合に、ついスマホの画面を見てしまうと、その刺激でますます眠りにくくなってしまうため、注意が必要です。 すぐに寝つけない場合は、『寝なければ』と焦らずに、静かな環境で目を閉じて横たわり、ゆっくりと全身の力を抜いて心身を休めることが大切です。 それでも睡眠不足で対処がわからない場合は、妊婦健診のときに医師や助産師へ相談してください。 一方、乳児のいるママの場合は。赤ちゃんのお世話や夜泣きなど、赤ちゃんに合わせて生活するために睡眠が中断されやすくなります。とくに生後3カ月まではまとまった睡眠をとるのは難しく、多くのママが睡眠不足に悩まされますが、赤ちゃんの哺乳力がつき、だんだんと睡眠リズムができてくると、少しずつまとまって眠ってくれるようになることがほとんどです。 育児中はずっとこうした状態が続くのでは、と不安に思うことなく、赤ちゃんの成長を見守りながら休めるときは短時間でも休むようにして疲れを溜め込まないことが大切です。 授乳して、おむつを替えて、それでもなかなか泣き止まないとき、とくに夜中は泣き声も気になるし、ママ自身も眠いので、赤ちゃんを早く寝かしつけようとイライラしてしまうこともあるでしょう。 でも、ママが焦ったり、不安や怒りを感じたりするほど、それが赤ちゃんに伝わるのか、ますます寝てくれないことが多いものです。 『大丈夫、いつかは寝てくれる』と大きく構えて、自分自身の気持ちを落ち着かせ、優しく抱っこして穏やかに話しかけたり、静かに子守唄を歌ったりしてみてください。 優しい気持ちに包まれて赤ちゃんも安心してまた眠りにつきやすくなることでしょう」(木戸道子さん) 生後1カ月の赤ちゃんの横で「一体、いつ思う存分眠れる日がくるんだろう」と私も思いました。とくに子どもが乳児のときは、細切れでも昼寝でも、とにかく休めるときに休むということが基本なんですね。 (取材・文/橋本真理子、たまひよONLINE編集部)
木戸道子さん
PROFILE) 日本赤十字社医療センター 第一産婦人科部長。数多くの出産を扱う病院に勤務し、母子の健やかな出産を応援している。みずから3人の男の子を育てた経験からも、妊産婦、働く女性に親身なアドバイスを行っている。著書に『ワーキングマザーのすすめ: 仕事も子どももゲットする』(悠飛社)、監修として『最新版 はじめての妊娠・出産 安心百科』(主婦と生活社)などがある。 ※文中のコメントは「たまひよ」アプリユーザーから集めた体験談を再編集したものです。 ※記事の内容は2024年5月の情報で、現在と異なる場合があります。
たまひよ ONLINE編集部