定年後にアルバイトを始めました。「未経験者なのでまずは試用期間を設ける」と言われ半年が経過しましたが、いまだ「本採用」されません。このまま本採用されない場合もあるのでしょうか…?
新しく採用する労働者に「試用期間」を設ける企業は少なくありません。しかし、なかなか本採用されないとなると不安に感じてしまいますね。 本記事では試用期間の目的や試用期間の長さに加え、試用期間後の本採用を拒否できるケース、注意点などについて解説します。 ▼65歳から70歳まで「月8万円」をアルバイトで稼ぐと、年金はどれだけ増える?
試用期間とは? 決められた長さがあるの?
労働者の本採用を決める前に、その労働者の能力や適性を見極めるための期間を「試用期間」といいます。試用期間の長さについては特に明確な規定はありませんが、試用期間の目的は労働者の能力や適性の確認のため、試用期間の長さは業務の内容に応じて1~3ヶ月程度が多いでしょう。 また試用期間中でも原則として労働基準法が適用され、社会保険や労災保険、雇用保険へ加入できます。試用期間中、業務への適性や勤務態度などが確認され、とくに問題がなければそのまま本採用されるのが一般的です。
試用期間の働き方から本採用を拒否される?
試用期間中に能力や適性不足などが分かり、試用期間終了と同時に本採用が見送られるケースも当然あります。そのような場合はあらかじめ試用期間前の契約時に、本採用拒否があるかどうかの明示がなされていたかが重要となります。 「本採用を拒否する場合がある」などの明示がなければ、たとえ試用期間が設けられていても、はじめから本採用されたことと同じです。 そのため試用期間中の労働者に対して本採用を拒否することは、解雇と同じ扱いになります。そのため採用された後14日以上勤務した場合は「労働者について採用時には分からなかった事実が試用期間中に発覚」して、その事実によって「本採用を拒否することが客観的にみて、社会通念上相当である」ことが必要となります。
解雇予告や解雇予告手当が必要となる
試用期間中であっても採用後14日以上勤務している労働者を解雇するときは、解雇予告や解雇予告手当が必要となります。 解雇予告は少なくとも30日前に行われる必要があり、解雇予告が行われない場合には30日分以上の平均賃金(解雇予告手当)を、解雇予告の日数が30日に満たない場合には、その不足日数分の平均賃金を解雇予告手当として受け取る権利があります。 例えば、解雇日の10日前に予告された場合は、20日×平均賃金を受け取ることができます。