「獺祭」手がける旭酒造が宇宙空間で酒造り!? 1億円で販売も 【WBS】
日本酒「獺祭」を手掛ける旭酒造は、去年、アメリカのニューヨーク州で酒造りを始めるなど、世界を舞台に獺祭ブランドを育てています。その旭酒造が、今度は宇宙での酒造りに挑戦することになりました。 獺祭を作る旭酒造。酒蔵で桜井一宏社長が見せてくれたのが、発酵装置の模型です。 「実は今、月でお酒を造れないか取り組もうとしていて、実証実験として国際宇宙ステーションで月の重力を再現して酒を発酵させようとしている。この容器が発酵装置の模型」(旭酒造の桜井一宏社長)
高度約400キロに浮かぶISS(国際宇宙ステーション)で日本酒造りに挑戦すると明らかにしました。小さなタンクに米、こうじ、酵母を入れて打ち上げ、ISSで水を加えて発酵させます。 プロジェクトを担う「旭酒造」イノベーション研究室の植月聡也主任(29)は「一番懸念しているのは、微小重力によってもろみの中の対流が起きにくくなる。それを支えてあげるために攪拌機構を備えた」と話します。 地上では発酵によって液体の対流が発生しますが、無重力の宇宙空間では対流が起こりにくいため、攪拌させて発酵を促す仕組みを考案しました。2週間ほど発酵させた後、地上に戻して酒を絞る計画です。打ち上げは来年の後半を目指します。 人類初となる宇宙での日本酒造り。その理由について桜井社長は「宇宙にどんどん人が移住するようになっていく未来がみえている。行った先での喜びのため、お酒をやっぱり宇宙で造りたい」と話します。
地球から持っていくのではなく、月に存在するといわれる水を使って酒を仕込もうというのです。つくった酒は、結果の分析にも使いますが、ボトル1本分は1億円で販売する予定です。 「それで私たちが商売してもうけることはないと思っている。私たちの出荷し額(売り上げ)に関しては、全部宇宙開発へ寄付したいと思っている」(桜井社長) 旭酒造は自らが挑戦するだけでなく、宇宙開発も後押ししていて、今回のプロジェクトに1億4000万円を投資します。 桜井社長は今回のプロジェクトの勝算について「分からない。酒になるかも分からない。フロンティアに挑戦するのは成長の種になると思うので、やっていきたい」と話しました。 ※ワールドビジネスサテライト