男女ともに狙うは金メダル! 男子は7月24日にパラグアイ、なでしこは7月25日にスペインと対戦──パリ2024オリンピック特集「見どころ解説・サッカー編」
なでしこは初の頂点を目指す!
女子は年齢制限がなく、「なでしこジャパン」が出場する。五輪出場は2大会連続6度目で、初の頂点を目ざす。 女子は12カ国が集う。4カ国ずつ3つのグループにわかれ、各グループの上位2カ国が準々決勝へ進み、3位のなかで成績上位の2カ国がベスト8に加わる。 日本はFIFAランキング7位で、ダークホース的な位置づけだ。11年女子W杯優勝を知る主将の熊谷紗希(ローマ/イタリア)、ゲームをコントロールするMF長谷川唯(マンチェスター・シティ/イングランド)とMF長野風花(リバプール/イングランド)、23年女子W杯得点王のMF宮澤ひなた(マンチェスター・ユナイテッド/イングランド)ら、タレントが揃っている。海外クラブ所属選手が増えたことで個々の経験値が高まり、池田太監督のもとでチームの総合力が底上げされている。 五輪の女子サッカーは参加国が少ないため、グループステージから強豪と対戦する。日本は23年女子W杯優勝でFIFAランキング1位のスペイン、21年東京五輪8強で同9位のブラジル、同36位のナイジェリアと対戦する。 スペインは男子同様にショートパスをつなぐスタイルで、欧州予選を首位で通過している。昨年の女子W杯の対戦ではカウンターがハマって4対0で勝利したが、今回はスペインも十分に警戒してくる。23年W杯MVPのMFアイタナ・ボンマティ、得点源のFWジェニファー・エルモソらに要注意だ。 ブラジルとは実力が拮抗している。直近の対戦は4月で、1対1で引分けた(PK戦で敗退)。「サッカーの女王」と呼ばれる38歳のFWマルタ、36歳のDFタミレスら、経験豊富なビッグネームが今回もメンバー入りしている。 グループ1位通過が理想だが、準々決勝以降は実力国との戦いが避けられない。まずはとにかくベスト8へ名乗りをあげ、そこからは一戦必勝で臨む。かつて世界を席巻した「NADESIKO」復権を、ぜひとも実現してほしいものだ。
戸塚 啓 スポーツライター 1968年、神奈川県生まれ。法政大学法学部卒業。サッカー専門誌記者を経て1998年からフリーランスに。『Sports Graphic Number』(文藝春秋)をはじめとして、雑誌やウェブ媒体にサッカー、ラグビー、ランニング、バドミントンなどの記事を寄稿する。著書には『日本サッカー代表監督総論』(双葉社)などがある。 文・戸塚 啓 編集・神谷 晃 AKIRA KAMIYA(GQ)