男女ともに狙うは金メダル! 男子は7月24日にパラグアイ、なでしこは7月25日にスペインと対戦──パリ2024オリンピック特集「見どころ解説・サッカー編」
警戒すべきは、7月24日の初戦で対峙するパラグアイ
もっとも警戒すべきは、7月24日の初戦で対峙するパラグアイだ。南米予選最終ラウンドでブラジルを破り、アルゼンチンと引分けてパリ行きを決めた実力は侮れない。カルロス・ハラ・サギエル監督は04年のアテネ五輪でもチームを指揮しており、母国に銀メダルをもたらした名将である。 伝統の守備力に加え、攻撃に質の高いタレントを保有するのが今回のチームの特徴だ。イングランド・プレミアリーグのウルブスに所属する19歳のエンソ・ゴンサレスは、突破力のあるウインガーだ。21歳のMFディエゴ・ゴメスは、あのリオネル・メッシと同じインテル・マイアミ(アメリカ)でプレーする。南米予選では5ゴールをあげており、4-2-3-1システムでトップ下に入る彼は要警戒だ。 南米各国は試合運びに長けている。守備に自信を持つパラグアイにリードを許すと、うまく時間を使われながら速攻からさらに失点、という展開も起こりうる。日本は0対0の時間帯をできるだけ長くして、ラスト15分で勝負を仕掛ける展開へ持ち込みたい。 五輪でもW杯でも、グループステージの初戦は重要だ。ここで勝点3をつかむことができれば、2戦目以降の戦いに余裕が生まれる。一方、黒星発進となるといきなり追い込まれる。引分けでも悪くないが、できれば勝点3がほしい。 第2戦で対戦するマリは、フィジカルバトルに強い。アフリカ特有の強くてしなやかな身体能力に、スピードが掛け合わさるからやっかいだ。3月には日本国内でテストマッチを戦い、1対3で敗れている。 戦術的な練度は日本が上回るものの、マリにはピッチ上の問題を個人で解決できる選手が揃っている。ウルブス所属のMFブバカル・トラオレは、世界的クラブへのステップアップも噂される好素材だ。 最終ライン中央を担うCBイブライマ・シセは196センチ、CBアミドゥ・ディアロは188センチの高さを誇り、アスリートとしての資質が高い。日本は斉藤や平河、三戸舜介(スパルタ/オランダ)らのドリブラーがアジリティを発揮してDFラインを揺さぶり、細谷や藤尾にシュートチャンスを与えたい。 イスラエルはアジア予選を勝ち抜いた76年以来、48年ぶり3度目の出場だ。代表経験者のGKダニエル・ペレツ、CBシーン・ゴールドバーグ、MFオムリ・ガンデルマンをOA枠で加え、戦力の底上げを図っている。U-23世代にも、代表経験者が複数人いる。 昨年開催されたU-20ワールドカップでは3位入賞を果たしており、日本は1対2で敗れている。十分な警戒心を持って臨むべきだ。 イスラエル戦は2試合を消化した後に迎えるので、お互いの特徴は把握している。事前の情報が少ない選手をスタメンで起用するなどして、相手の目先を変えてもいい。 グループ首位で準々決勝へ進出すると、エジプトかウズベキスタンとの対戦になりそうだ。準決勝ではアルゼンチンが待ち受ける公算が強いが、アルゼンチンには昨年11月に勝利している。日本からすれば、いいイメージを持って挑める。 一方、グループ2位で8強入りすると、スペインと対戦することになりそうだ。この難敵を退けても、準決勝はフランス戦が濃厚だ。完全アウェイとなる開催国との対戦は避けたい。 メダル獲得には、グループ首位通過が条件と言えそうだ。