社会的養護対象の奨学金 助成団体が初の交流会
社会的養護出身者を対象にした奨学金を運営する団体が集う初めての交流会が9日、朝日新聞東京本社(東京都中央区)で開かれ、若者への支援などについて意見を交わした。 朝日新聞厚生文化事業団の奨学金を受ける学生らは昨年12月、社会的養護出身者を対象にした奨学金の情報サイト「Miomus」(ミオムス)を開設。現在44団体が情報を掲載している。 今回の交流会はこうした学生らによる「応援生ミオムスチーム」が主催。幹事団体である東京都社会福祉協議会、資生堂子ども財団、ゼンショーかがやき子ども財団などの協力で実現した。 交流会で奨学金の運営団体からは、大学を退学しそうな学生へのフォローや、資金提供以外のサポートなどについて意見を求める声が出た。また、ほかの奨学金との併給禁止についても議論した。 同事業団の奨学生らは「干渉しすぎず見守る距離感でいてほしい」「受験勉強とかぶらない時期に申請できるとありがたい」「同じ境遇で集まれるのは生活のモチベーションになる」など意見を述べた。 一方、全国児童養護施設協議会の赤池裕副会長も出席。「施設のことをもっと知ってほしい」と奨学金団体に呼び掛け、退学する学生のフォローや奨学金の支給タイミングなど課題を語った。 主催者は今後もこうした交流会を定期的に開きたい考え。それぞれの団体の奨学生が参加する機会も検討したいという。 同事業団の笠原章宏事務局長は「団体同士で情報交換したいというニーズは大きい。課題を共有する貴重な機会になった」と話している。