パリ五輪、セーヌ川で開会式 多様性を意識、華やかな演出
【パリ共同】第33回夏季オリンピック・パリ大会は26日(日本時間27日)、市中心部のセーヌ川で開会式が行われ、開幕した。ウクライナや中東の戦禍で世界の分断が進む中、「平和の祭典」の開会式は夏季五輪で初めて競技場外で実施。多様性や若年層を意識した華やかな演出で「広く開かれた大会に」というスローガンをアピールした。 ブレイキン男子の半井重幸(22)=ダンサー名・SHIGEKIX、第一生命保険=とフェンシング女子の江村美咲(25)=立飛ホールディングス=が旗手を務めた日本など各国・地域の選手団は雨の中、約6キロにわたって船に乗ってパレードし、トロカデロ庭園に集合した。パレードの途中で米人気歌手レディー・ガガさんらがパフォーマンスを披露し、カラフルにライトアップされたエッフェル塔が観客を楽しませた。 マクロン大統領が開会を宣言した後、聖火はルーブル美術館近くのチュイルリー公園まで運ばれ、ともに海外領土で生まれた柔道男子100キロ超級で五輪制覇2度のテディ・リネール選手と陸上女子で五輪金メダル3個のマリージョゼ・ペレクさんが最終走者として点火。気球型の聖火台が宙に浮かび上がった。
警察や憲兵隊約4万5千人が投入され、厳重な警備でテロなどの警戒に当たった。フランス国内では25日夜から26日朝にかけ、高速列車TGVの路線網に大規模な破壊行為が発生。緊張が高まったが、約4時間の式典は無事に終了した。 日本勢は海外の五輪で史上最多の409選手が出場し、国外開催の五輪では最多となる金メダル20個を目指す。 パリでの五輪は100年ぶり3度目で、史上初めて出場枠の男女同数が実現した。200以上の国・地域や難民選手団を合わせ、約1万1千人の選手が8月11日まで17日間、32競技、329種目で争う。 半井重幸の話 本当に楽しかった。雨が降ってくるというハプニングでさえもドラマチックで、一つのエンターテインメントとして特別感が出たと思う。 江村美咲の話 たくさんの方々に支えられて今があるという思いをかみしめていた。感謝の気持ちをプレーで出し切りたい。