日大陸上部が奨学生から439万円をダマし取っていた…!「なぜ母子家庭の我が家をターゲットにしたのか」<被害者が怒りの告白>
タメ口で「(お金が)結構返ってくるよ」
大学から届いた文書には不正徴収した分に「遅延損害金」を加えた金額が返金される旨が記されていた。日大はHPで被害者への返金手続きを迅速に進めていることを強調しているが、Aさんは「大学側の対応には憤りを覚えます」と話す。 「大学から委託されたという弁護士は、誠心誠意謝罪するどころか、タメ口で『〇〇さん、(お金が)結構返ってくるよ』と明るく言ってきました。大学の関係者ではないとはいえ、『ずいぶん軽い対応だな』と不快に感じました。 返金すればいい、遅延損害金を払えばいい、という問題でしょうか。大学は紙切れ一枚で終わらせようとしているのかもしれませんが、ひと言でもいいので、迷惑をかけた家族には直接謝罪してほしい。 陸上競技部は各部門を合わせて200人近くいました。そのうち不正徴収のターゲットになったのは数人です。 大学の説明によれば、不正徴収した金銭は奨学生ではない部員の授業料に充てられていたとのことですが、なぜ家計の苦しかったうちが選ばれたのか。私は強豪校出身ではなく、陸上競技部に高校の先輩後輩もいませんでした。『こいつなら不正徴収してもバレないだろう』と狙い撃ちされたとしか思えません」
組織的な不正ではないか
不正徴収した金銭の使途について、重量挙部では監督が私的に使っていたことが明らかになり、日大は刑事告発も検討している。 一方、陸上競技部については、日大は「幹部の私的使用は認められていません」と明言している。Aさんが続ける。 「私的流用はなかった。では、いったい何に使ったのか。不正徴収した金銭について、大学は『施設設備資金に充てていた』とも説明していますが、部の備品が新調されるようなことはありませんでした。家族からダマし取ったお金がどう使われたのか。納得できる説明をしてほしい。 不正徴収に関与していた人物について、大学は実名を公表せず、『幹部』と表現していますが、これは監督個人を指すのか。こうしたスキームを監督一人が考えて、悪用していたと思えません。コーチのみならず、大学の職員も関係していていたのではないか、という疑念もあります。 社会に出たからこそ感じておりますが、一般社会の常識に照らし合わせると、日大の対応は不十分であり、不誠実です。不祥事続きとはいえ、4年間過ごした大切な場所であり、怒りの一方で、誇りも愛着もあります。だからこそしかるべき対応をしてほしい。事実を教えてほしい。それだけです」 ちなみに、Aさんは「原資が不明」という理由で遅延損害金を受け取っていいものなのか逡巡しているという。 後編記事『「大学は何も知らなかった」はおかしい…!日大陸上部<不正徴収問題>、被害者の現役学生が抱く「強烈な違和感」』では、不正徴収された陸上競技部の現役学生の「怒りの声」に加え、取材に対する部の幹部や大学の回答を紹介しています。
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