【アイマスエキスポ】同人誌頒布は「2段飛ばしぐらい踏み込んだ企画」波多野公士氏に聞く狙いと今後の意気込み
実は15周年頃から模索していた「新たな試み」苦労と反響は?
――「アイマスエキスポ」については、これまでシリーズとしてさまざまなイベントがありましたけども、新しい試みかと思います。特に同人誌など自主制作物の展示や頒布について、公式側で場を提供するというのが、かなり踏み込んでいるように感じます。 「アイマスエキスポ」自体がかなり挑戦的で、ファンメイドといったCtoC(※Consumer to Consumerの略で、個人間取引を意味する)に踏み込んだものと言えます。やはりレギュレーションの設定などが難しい部分で、自由に活動していただきたいという気持ちと、ブランドの価値を担保する役割のなかで、せめぎ合いがありました。主に梅木(※「アイマス」シリーズのイベントを統括している梅木馨氏)を筆頭として、このあたりの調整にすごく苦労していました。 これまでの取り組みにおいて、ライブイベントにおける“のぼり”のデザインをプロデューサーのみなさんから募集し参加できる機会を用意したり、ジェイアール東日本企画との取り組みで、企業ではなくファン同士でアイドルの誕生日や記念日などをお祝いする応援広告が掲出できるようなスキームを整えたりしました。こうしたプロデューサーのみなさんが創作活動で参加できる領域を少しずつ広げてきましたが、今回は2段飛ばしぐらいに踏み込んで実施したと思います。 振り返ると、この企画は15周年ぐらいのときには出ていたものです。ただ、当時は現実的な問題として難しいところもありました。改めて20周年というタイミングで、みんなの“アイ”を集める場所、そしてこれからも続いていくことを示すという意味では、ここでできたのがよかったと思います。 ――会場をご覧になって、率直な感想を教えてください。 全ての会場をまわりましたけど、プロデューサーさんの熱量と愛の深さに背筋が伸びる思いです。
「今までやったことないようなイベントも準備している」今後に意気込み
――会場では制作陣の方がプロデューサーさんに声をかけられたり、挨拶の順番待ちの列ができるような光景も見かけられました。 本当に声をかけていただく方も多く、名刺交換もせていただいて、制作陣も楽しんで参加させていただいております。 ――2025年は20周年を迎える節目の年になりますけど、そこに向けた意気込みや展望などがありましたら教えて下さい。 20周年を迎えることの役割として、ここまで20年の活動において、プロデューサーさんたちに感謝を伝えることがテーマとしてあります。そしてもうひとつ、「アイドルマスター」はチャレンジをし続けてきた作品でありますので、20周年を超えてもチャレンジする姿を失わないように、そして加速させていけるように前を向くということの2つが大事だと思ってます。 前者は先ほどお話しましたので、後者について触れると、今までやったことないようなイベントであったり、施策についてもさまざまなものを準備しております。年末の配信(※12月27日19時から配信予定の「オールアイマス大感謝祭 ~2025年までもう待てない!生配信~」)では、いつもの年末配信とは形態を変えて、さまざまな情報をお届けしたいと思っております。 ■波多野 公士(はたの こうじ)株式会社バンダイナムコエンターテインメントAE事業部 765プロダクション ゼネラルマネージャー2009年株式会社バンダイナムコゲームス(現 株式会社バンダイナムコエンターテインメント)入社。アプリゲーム開発、ビジネスデベロッパーを経て2018年より新規事業、イベント制作担当へ、東京ドームにて実施されたバンダイナムコエンターテインメントフェスティバルのプロデューサーを担当。2021年に設立された巨大4面LEDとXR設備を備えた自社スタジオ「MIRAIKEN studio」の全体統括とプロデュースを担当。2022年より第3IP事業ディビジョン(現 AE 事業部)765プロダクションゼネラルマネージャーに就任。
さとうかずや