兵庫県の斎藤知事に関する職員アンケートは信頼できない? 3つの言説を検証【ファクトチェックまとめ】
県職員アンケートは議員の私的なもの?【誤り】
SNSでは「県職員アンケートは議員の私的なもの」との指摘があった。これは別のアンケートと混同している。 百条委員会がアンケートをする前に、兵庫県議会の丸尾牧議員が4月に個人的なアンケート調査をしている。神戸新聞によれば、4月下旬、通勤途中の県職員に対して、知事のパワハラについてたずねるアンケート用紙300枚を配り、21人から回答を得たという。 これはSNSで拡散した指摘の通り、丸尾議員個人によるアンケート。百条委が実施した県職員アンケートは全く別のもので、両者を混同した言説は誤りだ。
誰でも何度も回答できる?【正確】
SNSではアンケートについて「Googleフォームによるアンケートで、誰でも何度でも回答できる。職員のなりすましでも簡単に回答できる」との指摘があった。 議会事務局はJFCの取材に、アンケートの形式について「GoogleフォームのURLを職員のメールアドレスに送る方法を取った」と説明した。 Googleフォームは、氏名の記入やメールアドレスの収集を必須にしたり、回答を1回に制限したりする設定もできる。しかし、県職員アンケートではこれらの設定はしていなかった。議会事務局は「回答に不安を感じることに配慮して、個人と紐付けしないよう無記名にした。複数回にわたっての回答はありえる」とJFCに説明した。 議会事務局は、回答の傾向や自由記述欄での表現のバラツキから「回答内容を読む限り、一人が複数回の回答をしたことによる影響はうかがえない」とも述べた。しかし、一人が複数回回答した可能性は否定できない。 実際にそうした複数回答があったかを確認することは不可能だが、百条委の県職員アンケートについて「誰でも何度でも回答できる」との言説は正確と言える。 アンケート項目や方法は、百条委員会が7月19日に公開した資料に詳細がある(文書調査特別委員会議事順序 20ページ)。自由記述欄の回答は、ウェブサイトで公開されている(文書問題調査特別委員会)。