【チャレンジC】距離短縮は重賞組、距離延長は非重賞組から ボルドグフーシュやラーグルフの巻き返しに期待
来年は9月に戻るチャレンジC
2012年から暮れに行われていたチャレンジCは来年から9月に移る。正確には9月に戻るといった方が正確だ。そもそもチャレンジCという名称は3歳馬が夏を越し、秋になって古馬に挑戦するといった意味合いが込められていた。12月になって、むしろ挑戦的色合いは薄れつつあった。 【ジャパンカップ2024 推奨馬】能力&末脚はメンバートップ! 3つの複勝率100%データを持ち信頼度◎(SPAIA) 9月に戻る来年からは再び、3歳馬が古馬の胸を借りるレースに変わるのだろうか。9月は各トライアルと重なるタイミングでもあり出走するかは微妙。あえて古馬と戦い、ラスト一冠に進むという意欲的なローテはあるかもしれない。 さて、今年は12回続いた12月開催の最後(今年はカレンダーの影響で11月末日開催)。3歳は12回で7勝。昨年のベラジオオペラはここを経由し、GⅠまでのぼりつめた。4歳まで約1か月であり、もう古馬との差はほとんどない。今年の舞台は京都。距離2000mに絞り過去7回分をとりあげ、ローテや距離を中心に探っていく。 1番人気は【4-0-0-3】勝率、複勝率57.1%。2番人気も【2-2-1-2】勝率28.6%、複勝率71.4%と強力で、勝ち馬はすべて3番人気以内から出ている。GⅠとGⅠの谷間にあるレースらしく、勢い重視のわかりやすい人気馬が着実に結果を残した。 人気薄は8番人気【0-1-1-5】複勝率28.6%ぐらい。1800から2000mに距離延長したのを機にハンデから別定に変わり、波乱の可能性はぐんと減っている。 3歳【5-0-2-6】勝率38.5%、複勝率53.8%と、例年なら3歳馬が中心になる。古馬は4歳【2-2-2-19】勝率8.0%、複勝率24.0%ぐらい。5歳【0-3-1-15】複勝率21.1%で、むしろ7歳以上【0-2-1-8】複勝率27.3%がいい。
2000mで見直したいラーグルフ
翌週に同距離のハンデ戦である中日新聞杯があり、両にらみという陣営が多く、早めに出る展望記事はなんとも書きにくい。12月は出馬ラッシュの季節。各陣営も忙しなく馬を送り出す。 今回は距離に注目する。前走2000mは【0-3-4-33】複勝率17.5%と不思議と勝っていない。阪神ではなく、京都に舞台を移すことで変化はあるだろうか。短縮の前走2000m超は【4-4-3-16】勝率14.8%、複勝率40.7%で、延長の2000m未満は【3-0-0-15】勝率、複勝率16.7%。延長組は少し極端だ。 短縮組の前走クラス内訳は重賞が中心。GⅠ【2-1-3-3】勝率22.2%、複勝率66.7%は菊花賞【1-0-2-1】、ダービー【1-0-0-1】とクラシックが中心。エリザベス女王杯【0-1-1-0】。ラヴェルが面白い。 前走重賞の距離短縮は4着以内【2-1-0-4】に対し、6着以下【2-3-3-10】。大敗からの巻き返しもある。昨年の天皇賞(春)6着以来のボルドグフーシュはいきなり好走しても不思議はない。アルゼンチン共和国杯11着のラーグルフは2000mになるのは歓迎。この辺が巻き返すと妙味がありそうだ。 かわって延長組のクラス別成績をチェックする。こちらはGⅡ【0-0-0-5】で重賞組は結果を残していないから不思議だ。かわってOP/L【2-0-0-5】勝率、複勝率28.6%など格下から距離を延ばす意欲を評価する。 エアファンディタ、エピファニーら重賞組より、23年都大路S5着以来のルペルカーリア、カシオペアS15着アウスヴァールか。 ルペルカーリアは2走前に小倉芝2000mの博多S1着。状態面さえ問題ないなら内回りもいい。アウスヴァールは2走前のオールカマーで2着。レーベンスティールとは0秒1差だった。控えた前走は大敗したが、再度先手を奪うなら残り目も考えられる。 ライタープロフィール 勝木 淳 競馬を主戦場とする文筆家。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュースエキスパートを務める。『アイドルホース列伝 超 1949-2024』(星海社新書)に寄稿。
勝木淳