千葉県内地銀3行決算、いずれも増益 設備投資で企業への融資増、経営支援も堅調
千葉銀行、京葉銀行、千葉興業銀行の千葉県内地銀3行の令和6年3月期決算が出そろった。企業の最終的なもうけを示す連結最終利益は3行とも増益となった。県内経済が新型コロナウイルス禍から回復基調にあり、設備投資に前向きな企業への融資が増えた。顧客への経営支援の対価として得られる「役務取引等利益」なども堅調だった。 千葉銀は、連結最終利益が前年同期比3・5%増の624億円となり、2期続けて過去最高を更新した。法人向けコンサルティングによる手数料収入など、法人関連サービスが好調で、業績を押し上げた。 貸出金残高は大企業や中堅企業を中心に伸び、6143億円増(5・0%増)の12兆7680億円だった。 米本努頭取は10日の記者会見で「企業行動が明らかに前向きになっている」と指摘した。 9日に決算発表した京葉銀の連結最終利益は4・6%増の108億円だった。 貸出金残高は1236億円増(3・0%増)の4兆2114億円だった。 熊谷俊行頭取は会見で「順調な決算だった」と評価した。今後は日本銀行のマイナス金利政策の解除で貸出金利の上昇が見込まれるなか、預金獲得に力を入れる。「お客さまの動向をきめ細かくフォローし、国民生活や企業の生産活動にプラスに働くようしっかりサポートする」と語った。 千葉興銀の連結最終利益は14・6%増の74億円。貸出金残高は241億円増(1・0%増)の2兆3809億円となった。 梅田仁司頭取は14日の決算発表会見で、「力強い決算内容となった。円安を背景としたコストの増加で経営状況が厳しい企業もあるため、適切な情報提供と伴走型のコンサルタント業務に取り組む」と強調した。 7年3月期の業績予想で、千葉銀は貸出金の利息収入が増えると見込み、連結最終利益を8・9%増の680億円、京葉銀は2%増の111億円とした。 千葉興銀は連結子会社の株式譲渡に伴う会計処理を行うため前年比23・2%減の57億円と予想した。(松崎翼)