ご当地デリカ(惣菜弁当)100選 秋田県「グランマート」 惣菜売上げ3割強アップ!
少子高齢化、少人数世帯を踏まえた隠れ名物
秋田県内に15店舗を展開する「グランマート」は、高齢化率・約4割の地域環境に根差したリージョナル食品スーパー。高齢者の日常にやさしく、現役世代に使い勝手よく、伝統の味覚を尊重するなど、地元の食生活・食文化を守り続けている。その象徴がデリカの「あんべぇいぃ」シリーズと「含め煮」だ。いずれも少子高齢化や少人数世帯を踏まえた質実的な逸品。昨今は同じ課題を抱えている同業者の視察も増えている。全国から注目されるデリカの双璧をご紹介。 【写真で見る】ご当地デリカ(惣菜弁当)100選 秋田県「グランマート」
少量多種類「あんべぇいぃ」シリーズ
食べ切りサイズでお客さまの暮らしに寄り添う 惣菜売上げ3割強アップ、構成比3~4%増 「あんべぇいぃ」とは「ちょうどいい」を意味する秋田県の方言。2020年、惣菜のミニパック「あんべぇいぃ」シリーズを打ち出したところ、惣菜部門の店舗平均日販は約60万円から約80万円に、惣菜売上比率は10~13%から16~17%に跳ね上がった。高齢者の少食需要、共働き世帯の使い勝手など、昨今のローカルニーズに見事的中した格好だ。 あんべぇいぃシリーズは「好きな量目と好きな選択」が基調。品数は店舗裁量により30~50品(惣菜商品約300品中)。以前の分量は「大・中・小」の3種だったが「大・中・小・あんべぇいぃ」の4種になり、「1:6:3」だった販売比率は「1:2:2:5」に一変。あんべぇいぃの大健闘が光る。惣菜の成功を受け、生鮮3品でも同様の商品化を推進。全社を挙げた「あんべぇいぃ」のブランド化に弾みを付けている。 佐々木一輝・デリカSVは「横手店の改装時、パートさんの発案で始めましたが、正直、面倒なので消極的でした」と明かし、「しかし目の前でどんどん手に取ってもらえる。これ目当ての来店も増えて活気づく。面倒な手間ほど求められる、選べる楽しさがリピートを呼ぶ、と確信し全店に導入しました」と説く。 ラインアップは煮物とサラダを主力に唐揚げやギョウザなど定番惣菜の中から現場裁量で決定。かたやハーフサイズの丼や弁当が伸びているのも興味深い。「客層の食卓に合わせて手数を増やす大切さを再認識。地元の環境に育まれた、地元ならではの惣菜を目指す」(佐々木氏)と意欲的だ。