アライグマはかわいいけれど、その生態は意外と…?【動物ドッキリクイズ】
アライグマと聞けば、すぐにラスカルという言葉が頭に浮かぶのは世代のせいでしょうか。子どもの頃に見たあのテレビアニメ番組の影響はまことに大きく、また実際にこの北米原産の小動物は一見とても可愛いのです。アメリカに引っ越して、初めて本物のアライグマを見たときは感激したものです。 【写真5枚】真っ暗な夜間に、アライグマはどうやってエサを見つけ、外敵から身を守っているのか。アライグマの様子を写真で見る しかし、段々とアメリカの生活に慣れてくると、アライグマがそれほど人々に愛される動物ではないことが分かってきました。そもそもラスカルという単語も本来は普通名詞で、イタズラ者や嘘つきを示す、あまり良い響きの言葉ではありません。 日本のテレビアニメも、その前に作られたディズニー映画も、作家のスターリング・ノース氏(1906-1974年)が自らの少年時代を回想した半自伝小説が原作です。少年スターリングはひょんなことから出会った野生のアライグマを家に連れて帰り、ラスカルと名付けてペットとして一緒に過ごそうとしますが、段々と狂暴化していくラスカルに手を焼き、最後は森に返すことを決断します。 アライグマはあくまで野生動物であり、人間と親密な関係になることは難しいようです。
ということで、アライグマにまつわるクイズ4問です!
【第1問】アライグマが主に食べるモノは? a) 昆虫 b) ザリガニ c) 魚 d) 上3つすべてを含む雑食 アライグマが両手で食べ物をつかみ口に運ぶ姿は文句なしに可愛いです。また食べ物を水で洗うような仕草を見せることもあり、それが日本語名の元になったとも言われています。 そんなアライグマは主にどんなものをエサにしているのでしょうか? 正解は「d) 雑食」です。可愛い顔をして本当に何でも食べるようです。選択肢には入れませんでしたが、ヘビやトカゲまで食べてしまうらしいです。「あの声で トカゲ食らうか ホトトギス」という句をアライグマに変えてもよいくらいです。 もっとも、その何でも食べてしまう習性が、後で述べる困った状況も生み出しているようです。 【第2問】アライグマは夜行性。もっとも優れた感覚は? a) 視覚 b) 触覚 c) 聴覚 d) 嗅覚 私はアライグマを目撃したことが何回かありますが、それはいつも真夜中の時間帯です。彼らは夜行性で、昼間はどこかに隠れてじっとしているらしいです。 真っ暗な夜間に、アライグマはどうやってエサを見つけ、また外敵から身を守っているのでしょうか? 正解は「b) 触覚」です。赤外線スコープのように暗いところでも目が見えるわけではなく、音や匂いに敏感なわけでもありません。 その代わり、アライグマは手の触覚が非常に発達していて、触ることによってモノを感知する能力は人間の10倍を軽く超えるとのことです。両手を水の中に入れる仕草も、あれは手やエサを洗っているのではなく、手を濡らすことによって触覚がさらに鋭敏さを増すのだそうです。 【第3問】アライグマと人間社会の関係は? a) 人間を見ると逃げる b) 攻撃的で人間を襲う c) ゴミやペットのエサを食べる d) まったく人間を無視する アライグマは住宅地にもよく出没します。ペットとして飼うには適していないことはすでに述べましたが、我々の社会とは無縁ではありません。 アライグマが人間社会に近づく理由とは何でしょうか? 正解は「c) ゴミやペットのエサを食べる」です。前2問の通り、雑食で夜行性のため、夜中に人々が寝静まった頃にゴミ箱を漁るという困った行動に出るのです。 同じ理由から、犬や猫とエサを争うこともあります。狂犬病や他の感染症のキャリアでもあるため、アライグマに噛まれたペットを獣医に連れて行くと、安楽死させられてしまうと聞いたことがありますが、真偽の程は知りません。 【第4問】アライグマの天敵は? a) 熊 b) 鷲や鷹 c) ワニ d) コヨーテ この質問には、「人間を除いて」と但し書きをつけるべきかもしれません。狩猟の対象となったり、交通事故の犠牲になったりするアライグマは後を絶ちません。 本来の生息地である、北米大陸の自然環境下で、アライグマの脅威となる動物は何でしょうか? 正解は「d) コヨーテ」です。コヨーテもまた、北米大陸に広く分布し、また人間社会にも近づいてくる野生動物です。つまり、アライグマとコヨーテはテリトリーが重なります。 日本ではペットとして持ち込まれたアライグマが野生で繁殖し、農作物に被害をもたらすなどの被害が問題視されています。日本には、コヨーテもそれに近いような動物もいませんので、アライグマの生存を脅かす天敵もいないことになるのでしょう。 そもそもアライグマは日本に生息していなかったはずです。人間の勝手な行動で連れて来られた上に害獣呼ばわりは可哀そうだなと思わなくもありません。 私が書きました! 米国在住ライター(海外書き人クラブ) 角谷剛 日本生まれ米国在住。米国で高校、日本で大学を卒業し、日米両国でIT系会社員生活を25年過ごしたのちに、趣味のスポーツがこうじてコーチ業に転身。日本のメディア多数で執筆。世界100ヵ国以上の現地在住日本人ライターの組織「海外書き人クラブ」会員。
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