「トラックが通ると塩水が…」漁港近くの踏切で貨物列車が脱線 塩害でレール腐食か 事故原因を検証
(宇佐美記者)「どういう踏切?」 (地元の漁師)「(利用するのは)主に浜の人」 (地元の漁師)「(漁師は)全員使っている」 さらに話を聞いてみると、多くの人が懸念していたことが浮かび上がってきました。
(地元の漁師)「4トン車とか結構通るから、だんだんすれば(揺れると)水がこぼれる」 (地元の漁師)「漁師だから塩水を積んだ荷物を積んだら常に塩水がかかる。だから普通の踏切とはわけが違う。そういうのをJRは丹念にしていない。だからこういう事故になったんだ」
(宇佐美記者)「海水でしょうか。漁港から来た軽トラックから少し水がこぼれているのが見えます」 ほとんどの漁業関係者がこの踏切を利用していて、段差で車が大きく揺れているのがわかります。
別のトラックも荷台に積んだ海水が線路にー 普通の踏切とは、明らかに状況が違っていました。 (日本大学 綱島均特任教授)「海風の影響によって塩分がレール腹部に付着し、それに加えて日常的に漁業関係者が通っていて、塩分がさらに付着しやすい影響があれば、腐食が進む可能性は当然考えられる」 JR東日本・新潟支社が発表した論文です。 そこには、塩害により10年程度で線路が4ミリ腐食するという研究結果が書かれています。
レールはわずか3ミリに…敷設から32年経過
今回、破断したレールは敷設から32年。 本来、厚さ15ミリあるレールの「腹部」が、腐食によって3ミリになっていました。 JR自身も「見たことがない」というレベルです。 (日本大学 綱島均特任教授)「腐食を身近な問題として捉えている場合は、より気を付けるようになるので、海沿いは。保守管理上の抜けがあったことは指摘されてもやむを得ない」
地元の漁師「なるべくしてなった」
(地元の漁師)「1回も(レールを)取り替えているのを見たことない。これだけ塩水がかかるところでたったそれだけの点検で。なるべくしてなった」 敷板で覆われた踏切のレール。 実は9月のエコー点検で異常があったにもかかわらず、敷板を外して確認していませんでした。