「一度も遭わなければ幸運だと言える」鎌田大地も人種差別被害!選手以外も標的に「毎週のように行われている」【海外の反応】
クリスタル・パレスに所属する日本代表MF鎌田大地やトッテナムの韓国代表FWソン・フンミンが人種差別の標的になったが、最近のプレミアリーグでは東アジアおよび東南アジア系の選手やファンに対する人種差別が増加傾向にあるようだ。英メディア『BBC』が報じている。 【写真】欧州日本人、高額年俸ランキング2024 鎌田はプレミアリーグ第11節のフラム戦で先発出場したが、76分に足を上げながらタックルしたことでレッドカードを提示された。一発退場でピッチから去った後に一部の観客から人種差別を受けていたことが明らかになっている。また、ソン・フンミンはチームメイトのウルグアイ代表MFロドリゴ・ベンタンクールから差別的な発言を受けており、母国のテレビ局のインタビューで人種差別のような発言をしたベンタンクールは、7試合の出場停止処分と罰金10万ポンド(約1900万円)を科せられている。 そんな中、反人種差別慈善団体キック・イット・アウト(KIO)が2023/24シーズンを対象に実態を調査した。発表によると、昨季はスタジアム内およびオンラインで選手を標的とした人種差別的な行為の報告は395件あり、2022/23シーズンの277件から増加したという。そのうちの55%は東アジア系の選手に向けられたものだった。 また、選手だけでなくファンや仕事でスタジアムに訪れる人も被害に遭っており、中国のメディア市場向けにサッカーコンテンツを制作しているケビン・ユアン氏は「(差別を受けるのは)私たちの仕事の一部のように感じる。私たちは試合の前後に様々なスタジアムで撮影しているが、文字通り毎週のように行われているようだ。それが私の見た目や話し方のせいなのかは分からない。私はマンチェスター・ユナイテッドの中国人サポーターが集うチャットグループに参加しているが、シーズン中に一度も人種差別的な事件に遭わなければ非常に幸運だという言い伝えがある。どのチームを応援していても、そういうことは起こる。私は2008年に英国に来て、それ以来ずっと試合を見に行っているが、自分が外国人のように感じ馴染めない。それが人々にとってどれほど不安なことか理解し、私の立場に立って考えてくれることを願っている」と述べている。 フランク・スー財団でプロジェクトコーディネーターを務めるマクスウェル・ミン氏は、東アジアおよび東南アジア系の人々に対する人種差別が増加している原因について「日本人や韓国人など東アジアや東南アジアの選手が我が国のスタジアムで最高レベルのプレーをするようになったのは、ここ数年のことである。という単純な事実があるのかもしれない。スタジアムには新しいファンもいるが、こうしたファンはスポーツに対する興味が浅いという見方がある。いわゆる地元や通常のサポーターグループほど深くなく、彼らを観光客と見なすことが多い」と分析している。
フットボールチャンネル編集部