〔NY外為〕円、一時148円台=約2カ月ぶり高値(3日)
【ニューヨーク時事】3日のニューヨーク外国為替市場では、韓国大統領の「非常戒厳」宣言を受けて安全資産とされる円買いが加速し、円相場は一時1ドル=148円65銭と、約2カ月ぶりの高値を付けた。戒厳令はのちに解除され、午後5時現在は149円58~68銭と、前日同時刻(149円53~63銭)比05銭の円安・ドル高。 韓国の尹錫悦大統領は3日発表した緊急談話で、野党が複数件の弾劾を試み、「行政をまひさせている」などとして「非常戒厳」を宣言した。戒厳司令部は、国会や政党などの政治活動を禁止し、メディアと出版が統制を受けると布告。国会では出入りが制限され、軍が進入する事態となった。 この報を受け、韓国通貨のウォンが急落。また、トランプ次期米大統領による関税引き上げを懸念し、中国・人民元の対ドル相場も3日の上海市場で一時約1年ぶりの安値を付けており、朝方は資金を円にシフトする動きが活発化した。 ただ、米労働省が午前に発表した10月の雇用動態調査(JOLTS)で、非農業部門の求人数が市場予想を上回る伸びを記録。これをきっかけに米長期金利が反転上昇すると、円の上値は重くなり、149円台に押し戻された。また、前日のウォラー連邦準備制度理事会(FRB)理事に続き、この日講演したクグラーFRB理事が追加利下げを支持する考えを示唆したことも円売り・ドル買い材料視されたもよう。 ユーロは同時刻現在、対ドルで1ユーロ=1.0504~0514ドル(前日午後5時は1.0493~0503ドル)、対円では同157円18~28銭(同156円97銭~157円07銭)と、21銭の円安・ユーロ高。