目指すなら今?行政書士「外国人を支援」の奥深い魅力 外国人コミュニティーの「縁の下の力持ち」に密着
■外国人の生活に欠かせない「行政書士」 「リトル・インディア」とも呼ばれる東京都江戸川区、西葛西。インド人の姿をよく目にするこの街を、恩田薫さんは日々飛び回っている。インド料理店や、インドのスイーツ専門店、それにスパイスを売る食材店などをめぐり、インド人のスタッフに声をかける。 【写真で見る】西葛西のインド人の店を回り、相談にのる行政書士の恩田さん。まさにリトル・インディアの御用聞き 「元気?」「お子さんの学校どう?」 インド人のほうも流暢な、あるいはカタコトの日本語で応じ、笑顔を返す。すっかりなじみの間柄という感じだが、恩田さんの仕事は「行政書士」。実は行政書士というのは外国人の生活に欠かせない存在なのである。日本に住む外国人が急増しているいま、需要と存在感とが増している職業といえるのだ。
そのワケは、外国人が必ず持っている「在留資格」にある。 在留資格は日本に住むためには必須のもので、外国人は滞在する目的に合った在留資格を取得すべし、と定められている。「留学」とか「技能実習」とか、コックであれば「技能」、会社の経営者なら「経営・管理」など、その種類はいろいろだ。 在留資格を持っている人の配偶者は「家族滞在」となる。それぞれ滞在期間が決まっていて、期限が迫ると更新をして、外国人は日本で生活しているというわけだ。
で、行政書士はこれら在留資格の取得や変更、更新などを請け負っている。この手の申請手続きは日本各地にある出入国在留管理庁、いわゆる入管で行うのだが、書類は煩雑でややこしく、日本人だってやっかいなので外国人にはきわめて難しい。そこで、「申請を取り次ぐ」、いわば代行する職業として認められているのが弁護士と行政書士なのだ。 行政書士の中でも入管業務を行う人は「届出済行政書士」とか「申請取次行政書士」と呼ばれ、おもに在留資格の変更や更新を扱う。もしなんらかの理由で在留資格を失えば日本に居られなくなるわけで、だから「在留資格は命の次に大事」なんて真顔で語る外国人もいるくらいだ。