「今日着る服がわからない……」そんな時こそJAXURYな視点を
今日、なに着よう? 流行情報をチェックしても、クローゼットを整理しても、迷いはつきない。 【写真】美しい服だけでなく、美しいインテリアも心地よく調和するサロン風景 そんなおしゃれに悩める人々におすすめしたいのが、「JAXURY」な視点を加えてみること。 JAXURU(ジャクシュアリー)=Japan’s Authentic Luxuryが考える、これからのラグジュアリーとは、ただ高価であるもの、贅を尽くしたものではない。 心地よさこそ、そして自分らしく輝きを放てることこそ、ラグジュアリー。 そのヒントは、セミオーダーを軸に日本からラグジュアリーを発信するブランドMIKAKO NAKAMURAデザイナーの中村三加子さんの新著『美しい服』にも。 「JAXURY」って何? そのエッセンスを紐解いてみよう。
着心地のよさには、ふたつの側面がある
これからのラグジュアリーなおしゃれに欠かすことができないのが、心地よさ。 実は、「着心地のよさには、ふたつの側面、『体で感じる着心地のよさ』と『心で感じる着心地のよさ』があると考えています」と言う、中村三加子さん。 体で感じる着心地のよさは、ふわりとした温もりやしっとりとしたなめらかさといった、体が喜ぶような気持ちのよさ。心で感じる着心地のよさは、その服を着ることで自信をもてたり、褒められてうれしくなったりと、心に作用するもの。心を潤わせ、気持ちが高まるような着心地のこと。 とかく体で感じる着心地のよさの方が注目されがちだが、それと同じくらい心で感じる着心地のよさも大切という。 「どちらかひとつだけでも、もちろん服は着ることができます。けれども満ち足りることはないでしょう」と中村さん。 着心地のよさを体で感じ、快適に過ごせること。心が満たされ、ご機嫌でいられること。「体と心で感じる心地よさ」こそが、要となる。
その場の“和”を保つ装いを楽しもう
もちろん、大人のおしゃれは自分が心地よければそれでいい、というわけにはいかない。「周囲に快く受け止めてもらえることも重要です」と、中村さん。 「その場にあった装いは、“和”を保つ力をもっています。雰囲気をわきまえ、ともに過ごす人たちも心地よくいられる着こなしを選べば、周囲も自分も心が弾んでくるはず。服にはそれだけの力があるのです」 “和”を保つ、とは、いってみれば、“調和する”ということ。2022年『FRaU JAXURY』特集号で、能楽師の安田登さんは、“調和”が意味することをこう語っている。