「サムスンやSKとも競争可能な水準」…業界が驚いた中国の半導体技術
中国のメモリー半導体が再び技術障壁を超えた。今度はNANDだ。半導体業界によると、中国の致鈦が新型2テラバイトソリッドステートドライブ(SSD)を最近発売し中国内需市場を中心に販売に入ったことが確認された。SSDはメモリー半導体であるNAND型フラッシュ基盤の製品で、最近人工知能(AI)の発達によりデータ保存・処理量が急増して需要が増加している。 ◇中国の「メモリー進撃」…今度はYMTC 半導体分析機関が一斉にこの製品を入手し分解したところ衝撃的な結果があふれた。初期性能テストでサムスン電子やSKハイニックスなど先頭圏のNAND企業と十分に競争可能な水準の速度が出た。このSSDは中国長江存儲科技(YMTC)の第5世代3D NAND技術を基に作られた。YMTCはこの過程で先端パッケージング技術のハイブリッドボンディング工法をさらにアップグレードして量産に適用するのに成功したことが確認された。 YMTCは中国企業で初めて3D NAND積層技術を活用したメモリー半導体を量産するのに成功した会社だ。中国国営企業の清華ユニグループ傘下にあり事実上中国共産党の 影響力の下にある。世界のNAND市場では業界5~6位圏に入る。 2022年に米国はYMTCを輸出統制リストに上げすべての先端半導体装備供給を防いだ。YMTCはアップルのiPhoneへのNAND供給を目前にしていたが、米議会が直接乗り出してどうにか阻止したほど技術力の側面では既存のメモリー半導体企業を十分に脅かせるという評価を受けている。来月の発足を控えた第2次トランプ政権の初代国務長官に指名されたマルコ・ルビオ上院議員は当時「アップルが火遊びをしている」として強硬にこの取引阻止に乗り出したりもした。 中国最大のDRAM企業である長鑫存儲技術(CXMT)が独自のDDR5を生産し内需市場に販売し始めたという状況が相次いで明るみに出て半導体業界が大騒ぎになっている。CXMTはまた公式にDDR5量産の事実を明らかにしていないが、半導体業界はすでに技術の側面でサムスン電子やSKハイニックスとの格差が相当部分狭まったとみている。 すでに中国のメモリー半導体企業は旧型メモリー製品であるDDR4を市中価格の半分水準で浴びせ出し韓国企業に打撃を与えている。中国発のメモリー攻勢でDRAMの市場価格が下がり続けているだけでなく、メモリー半導体を事実上全量輸入していた中国の電子業界が自国企業の半導体を使い始め韓国企業のシェアも脅かせる姿だ。半導体業界関係者は「中国がついにDRAMとNANDの両方でメモリー大手3社(サムスン電子、SKハイニックス、マイクロン)に意味ある打撃を与えられる技術水準に入った」と話した。 ◇翼を得た中国半導体…イカロスの逆説 これに対し「禁断の領域」を超え先端メモリー技術領域に第一歩を踏み出した中国半導体の持続可能性に対する疑問も少しずつ頭をもたげている。実際に最近の中国の半導体技術発展の流れを見ると中国の悩みがうかがえる。NANDの場合、YMTCの今回の新技術自体が対中制裁を回避する過程で誕生した工法ということだ。 現在NAND市場では先頭圏の間で300層前後で超高層競争が展開している。積層段数が多いほど性能が高い。だがYMTCは先端半導体装備を自由に求めることができず窮余の策として2つのウエハーを貼り合わせてNANDを作っている。サムスン電子、SKハイニックス、マイクロンと比べ生産原価負担が大きくならざるをえない構造だ。 中国のファウンドリー(半導体委託生産)1位のSMICが挑戦している先端半導体製造方式もやはり米国の規制で工程に必要な極端紫外線(EUV)装備なく既存の方法を応用している。コストと効率の側面で限界がくるほかない構造だ。結局、歯の代わりに歯ぐきで先端チップを作る中国半導体にも近く限界がやってくるとみる意見が次第に増えている。 半導体業界関係者は「第2次トランプ政権でも中国半導体への牽制は変わらないだろう。制裁を完全に突破して中国半導体がはい上がったり、ろうの羽根をつけて空高く舞い上がって墜落したギリシャ神話のイカロスのように結局は持ちこたえられなくなり崩壊したり岐路に立つ瞬間がいつかこないだろうか」と話した。