長時間労働で人気低迷の教員 “働き方改革”で負担軽減へ 応募者増に向けあの手この手も現場頼みの現状
また、慣れた手つきで配布物をクラスごとに仕分けをしたり、4年生の先生から依頼された漢字ドリルの丸付けを手際よくこなしたりと大忙しの様子だ。 勤務は1週間に20時間。 教員1人あたり、週に20分ほどの勤務時間の削減につながっている。 スクールサポートスタッフは現在県内の公立の小中学校・全校に広がっていて、教員も時間を有効活用できているという。 山下先生は「(作業を)お願いできる分、授業の大事な部分を研究する時間に充てられるのでありがたい」と話す。 一方、スクールサポートスタッフの伊澤さんも「役に立っていればいい。もっともっと仕事をして先生の仕事を軽減できるといい」と口にする。 他にも独自で働き方改革に取り組む学校がある。
ITを活用し効率化推進
校舎から富士山と駿河湾が一望できる沼津市の長井崎小中一貫学校で行われているのがITを活用した業務の効率化だ。 朝8時前、教頭が確認していたのは生徒からの欠席と遅刻の連絡。保護者にアプリケーション上で入力してもらい教員に自動で共有される。 これにより保護者からの電話への対応や教員間での連絡作業を省くことができた。 この自動共有化システムの効果を訊ねると内村浩司 教頭は「かなり楽になっています」と返答。
さらに教室でも… 国語の授業を行う6年生のクラス担任の阿辺真言 先生は教員のスケジュール管理にもウェブ上でのシステムを活用している。 画面上にビッシリと並ぶ授業科目。これまで多くの時間を割いていた1週間の時間割の作成も基本となる部分は自動で作成される。 さらに、他の教員との授業時間の調整などもすべてシステム上で可能だ。 加えて学校行事の作成や会議などもウェブの活用で効率化し、導入前と比べて1日の勤務時間を約1時間20分も削減した。
長井崎小中一貫学校・阿辺真言 先生: 連絡調整の手間が一気に省けたので時間が圧倒的に生まれ、子供との時間が生み出せているのですごくいい。デジタルを通して自分も子供も、ゆとりが生まれて接し方が温かくなったり優しくなったり待つことができたり、いろいろな点でいい このシステムを開発したのは2023年までこの学校で勤務していたプログラミングに詳しい教員で、自らプログラミング言語を入力して、システムを作成したそうだ。