【小泉恵未コラム】ゴール前の激アツな競り合いで泣きそうに…シャフリヤール、最後は有馬記念で素晴らしいレース
「戸崎、戸崎、戸崎…とーさーき、とーさーき」。2パターンの戸崎コールで、有馬記念の勝利をたたえる中山競馬場のファンの声。音は下から上に上がるので、スタンドの8階にいたら一体感のある音が突き上げてきました。レガレイラの素晴らしい走りに拍手を送ると同時に、2着のシャフリヤールにもスポットライトを当てたい! ゴール前の激アツな競り合いで泣きそうになりました。 シャフリヤールは海外6戦。特に思い出深いのは2022年ロイヤルアスコット開催のプリンスオブウェールズS(4着)です。シャフリヤールを預かるロジャー・ヴェリアン調教師と花子夫人の厩舎で、日本陣営や記者陣が使ったコーヒーカップを裏でそっと洗ってくださる大當助手を発見。慌てて手伝いましたが、なんて丁寧な心遣いの人だろうと思っていたら、ロイヤルアスコットでシャフリヤールが見事ベストターンドアウト賞受賞! 「大當助手の人間性が、ちゃんと馬の手入れで認めてもらえた!」とうれしかったものです。 11月のデルマー競馬場のブリーダーズCターフ(3着)で藤原調教師は「6歳になってまだパフォーマンス落ちずにきているのは馬に感謝しなければいけないし、経験値がものをいう世界レース、もう1走どこかで走らせたい」と語っていました。私も海外でその一戦が見たかったけれど、最後は一番応援してくれる日本ファンの目の前で、素晴らしいレースを披露してくれました。シャフリヤール陣営には「またコエミや!」といじられながらも、たくさん海外で取材させていただいたこと、感謝申し上げます。 ではホープフルS。初の中山も能力上位、3枠6番の好枠を引き当てたクロワデュノールを本命に、札幌2歳S勝ち馬マジックサンズ、穴はデルアヴァーにします。前走出負けして位置が後ろになったことが響いての5着も、母の母ヘヴンリーロマンスの松永ミッキー厩舎、前田オーナーの馬は、ラニのファンが応援すべき1頭です。 最後に大井で29日に行われる東京大賞典。フォーエバーヤングを本命に、推し馬クラウンプライドに流します。新谷調教師によれば「クラウンプライドは状態安定、調整に不安なし」。同厩グランブリッジはここにきて目立って状態がいいようなので、複勝には馬券妙味がありそうです。今年も1年ありがとうございました。来年は金杯からのスタートです! (フリーアナウンサー)
中日スポーツ