原田龍二さん不倫会見「ダメージコントロールに成功」専門家が評価
週刊文春が報じた女性ファンとの不倫問題で、俳優の原田龍二さんは5月31日に開いた記者会見で報道内容を認め、謝罪した。SNSなどは、原田さんの不実さを批判する声がある一方、低姿勢かつ率直に記者の質問に答えていた姿を「潔い」と好意的に捉える向きもあった。リスクコミュニケーションの問題に詳しい広報コンサルタントの石川慶子さんは、「好感度の高い会見でした」と高く評価する。 【中継録画】不倫報道の俳優・原田龍二さんが記者会見
表情のコントロールができていた
5月30日発売の週刊文春6月6日号に「水戸黄門・助さん俳優 原田龍二(48)『4WD諸国漫遊不倫』」というタイトルで、原田さんが複数の女性ファンと自家用の4WD車内で密会していた、という内容の記事が掲載された。発売翌日の31日、原田さんは自身がメインキャスターを務める東京MXテレビの情報番組「5時に夢中!」でこの話題を取り上げて謝罪した後、同局内の会議室で記者会見を行った。 まず石川さんが強い印象を受けたのは、原田さんの「表情」だという。「50分弱続いた会見中、真面目な表情を保ち続けたのは感心しました」。石川さんによると、人は通常、緊張すると逆に表情が緩みやすくなる。会見での質問に、図らずも笑顔を見せてしまうと「反省が不十分だ」と批判を浴びかねない。「長時間表情を維持するのは本当に難しい。原田さんは表情をコントロールできていました」 不倫の開始時期をたずねる質問に対して、原田さんはそのまま答えず、結婚前の浮気の話を始めた。石川さんは、この回答のずらし方も評価する。「かつて、不倫問題で議員辞職した宮崎謙介元議員は、記者会見で密会の回数などを赤裸々に話しましたが、相手女性のプライバシーも考えると、何でも答えれば良いというわけではありません。『性欲は強いのか』『車内での行為が好きなのか』といった微妙な質問にも真面目に答えていたのも含め、回答はどれも上手でした」 石川さんが最も高く評価するのが、会見の目的が「率直に謝罪して責任を取ること」、メッセージを伝えたい対象が「ファン」と明確だった点だ。「企業にも通じる話ですが、謝罪会見は、不祥事によるダメージをコントロールするために開きます。目的と対象が不明確だとメッセージがうまく伝わらないため、ダメージをコントロールできず、最悪の場合、事業の存続が危うくなる可能性もあります」 6月5日には、原田さんが出演を予定していた舞台「サザエさん」のフグ田マスオ役降板が決まった。不倫問題による影響だが、石川さんは「率直に反省する姿勢は対象者にもよく伝わり、ダメージコントロールに成功したと思います。今後も仕事はなくならないでしょう」と見ている。 今回の会見から、何を教訓として学ぶべきか。石川さんは「誰だって、不祥事を起こせば恥ずかしくて逃げたくなります。それでも、立ち向かって批判をきちんと受け止める勇気を持つことが必要です。そうすれば、ダメージを最小限に食い止められるでしょう」と話している。 (取材・文:具志堅浩二)