SNSで300万回再生“泊まれるおもちゃ館” 子育て中の「あったらいいな」を形にした“長野のオカン”
子育て世帯向けの宿泊施設「マツモトサトヤマドアーズ」を長野県松本市で経営するオーナーの赤沼留美子さん(52)=松本市在住。自由に遊べる約100点の木製おもちゃやピザ作りなど、子ども向けのサービスを充実。また、スタッフが子どもを預かったり、子どもが寝た後にエステが利用できたりと、親がのんびりと過ごせるサービスも好評だ。赤沼さんは3人の娘の母親で「子育て中にあったらいいなと思った理想を詰め込んだ宿」と話す。 【動画】SNSで300万回再生された動画はこちら
「日本初!泊まれるおもちゃ館」「ママOBだから困った時には、どんどん頼ってもらいたい」。そんな言葉とともに「長野のオカン」と称して宿を紹介する動画をインスタグラムに投稿すると、6月中旬時点で再生数は約310万回、「いいね」は約9万件がつく反響があった。
"お互いさま"で気兼ねなく
宿の売りは、本館「木のおもちゃ館」とモンゴルのゲル(移動式住居)3棟。本館には、ままごとセットや列車といった木製おもちゃがあふれる。子どもが騒いでも、親子連れの客だけなので“お互いさま”で気兼ねはない。夜はゲルに泊まって、はやりのグランピングを体験できる。
木製おもちゃの魅力
赤沼さんは岡山市出身。津田塾大(東京)を卒業後、大手コンビニエンスストアで人材育成などの仕事に携わった。家族と鳥取市で暮らした際、木製おもちゃがたくさんあるミュージアム「わらべ館」で娘たちが夢中になって遊んだ。その体験から「自分から働きかけ、多様な遊び方ができる」と木製おもちゃの魅力に気付いた。
十数年前、家族と松本市に引っ越した。市内で人材系コンサルティング会社を経営する傍ら、木製おもちゃの魅力を広める活動に力を入れた。
活動の拠点を探していた時、知人から岡田にある土地を紹介された。土地は旅館営業が可能。市街地にはビジネスホテルが多く、親子で泊まれる宿が少ないことから「商機はある」と判断。銀行からの融資や国の補助金を活用し、2022年8月にマツモトサトヤマドアーズをオープンした。