【柏崎刈羽原発】国と県が「避難路」について初協議 ICの新設など優先すべき事業示す【新潟】
柏崎刈羽原発での事故発生に備えた避難ルートの整備について、県と国による直接協議が始まりました。資源エネルギー庁の村瀬長官らと県の笠鳥副知事がさきほど初会合に臨みました。 【動画】【柏崎刈羽原発】国と県が「避難路」について初協議 ICの新設など優先すべき事業示す【新潟】 避難路は、原発から放射状に6方向へ広がる道路です。既存の道路を広げたり「のり面」を強化したりすることで、事故時に原発30キロ圏の「避難準備区域」の外へ住民を速やかに避難させる目的があります。 28日午後5時から県庁で開かれた初会合には、資源エネルギー庁の村瀬佳史長官をはじめ、国土交通省などから幹部が参加。県からは笠鳥公一副知事らが出席しました。 ■村瀬佳史長官 「協議の枠組みの立ち上げはその具体化に向けた重要な一歩になると考えている。柏崎刈羽原発の再稼働に向けた理解が進むよう更なる具体的な対応に向けた取り組みを丁寧に進めたい」 ■笠鳥公一副知事 「本当に安全に避難できるのか、県民は大きな不安を抱いている。安全に避難できるという納得感を持ってもらえるように国が前面に立ってソフト面対策と合わせてハード面の整備を進めてもらうことは極めて重要」 会合では、「優先すべき事業」として、高速道路へのインターチェンジ新設や緊急進入路の整備、国道8号バイパスの整備、道路改良や除雪体制の強化など、大きく4項目が示されました。 避難路の整備が大きく動き出したのは今年6月。再稼働に必要な「地元の同意」にあたり、確かな避難対策が必要と考えていた花角知事が国に対して整備を要望。「地元負担を求めないこと」「国と県の協議の枠組み」を設けること、の2点も求めました。 ■花角英世知事 「国がもし稼働させたいということで進められるならば、前面に立って県民に対し、原子力発電所の必要性や安全性についてしっかり説明頂きたい」 ■斎藤健経産大臣(当時) 「県民の皆さんの避難に対する不安の声にお応えするため、さらなる充実強化に向けて国を挙げて全力で取り組んでいきたい」 国はすぐに反応しました。9月に開かれた関係閣僚会議。 ■岸田文雄総理(当時) 「柏崎刈羽原発の再稼働の重要性は高まっている。避難路の整備など、避難対策の実効性向上等のための対応を着実に進めてください」 この場で、国の負担で避難路を整備し、「協議の場」を設けることを決定。再稼働を進めたい経済産業省の主導による「満額回答」でした。そして今日の初会合。国と県は、事務方同士で具体的な整備方針を詰めていくことを確認しました。花角知事は午前の会見で、速やかに方針を決めるよう求めています。 ■花角英世知事 「県民は逆にどう受け止めるかということが私としては見極めたいので、早く県民にお示しできるようにしてほしい」