ヤクルト・奥川恭伸が地元・石川で誓った 北村拓己&内山壮真と星稜高トリオで「お立ち台」に
元日に発生した能登半島地震から1年を迎えるのを前に石川・星稜高出身のヤクルト・奥川恭伸投手(23)、北村拓己内野手(29)、内山壮真捕手(22)が29日、金沢市内の同校で行われた「星稜フェスティバル2024」に参加。甚大な被害を受けた能登地域6市町村の小学生85人を対象にした野球教室を行った。地元のヒーローは故郷に元気を届けるべく、3人でお立ち台に立つ目標を掲げた。 ハツラツとした笑顔で白球を追う様子を見て、自然と表情が緩んだ。元日の能登半島地震や9月の豪雨で甚大な被害を受けた能登地区の子供を対象に、星稜高OBが講師となって行われた野球教室。石川県の中部に位置するかほく市出身の奥川は小学生85人と交流し、安堵(あんど)した。 「すごく活発な子が多くて、本当に楽しい時間を過ごせました」 被災地の復興支援などを目的に初開催された星稜フェスティバル。参加者の中には震災後約2カ月間、野球ができなかった小学生もいた。自身も帰省中に被災し、津波警報が鳴る中、建物を飛び出し、近くの高台まで逃げた奥川は「しんどく、大変な思いをした子供たちだと思うが、諦めずに、もっともっと上を目指して野球をやってもらいたい」と思いやった。 春夏通じて38度の甲子園大会出場を誇る星稜高は地元にとって大きな存在だ。ヤクルトには星稜高出身が3人所属。奥川の6学年先輩にあたる北村拓は「(同じ高校出身が)3人もいるのはなかなかない。すごいこと」と声を弾ませる。かつては巨人で清原、桑田の大阪・PL学園高の同級生が一緒に東京ドームのお立ち台に上がったが、被災地に希望を届けるために目指すのは、球界でも珍しい同門3人のお立ち台である。 奥川が「石川勢3人で(お立ち台に)立てたらいい」と夢を抱けば、北村拓も「3人でヒーローになれたら、すごくいい光景」と笑顔。今季けがに苦しんだ内山も「来年はいい結果を報告し、元気を届ける」と気合十分に呼応した。 「プロ野球選手である以上、野球を通して元気、夢を届けられるように。来年はしっかりと活躍する」と北村拓。燕の星稜3人衆が心を一つに神宮で輝く。(武田千怜)