部屋にあがる=性的行為同意か。男女の意識の違いにネットでも大激論。『上田と女がDEEPに吠える夜』から考える
なぜ男女だと「家に上がる=性的同意」になるのか
今回の議論で、中には「何もするつもりがないのに家に上がるほうがおかしい」「襲われてもいいと思う人だけ男性の部屋に上がるべきだ」「男女が密室でやることなんてひとつだ」「その気がないならカフェでいいじゃん」という意見もありました。長い間、こういった考え方は極端なものではなく、むしろ普通のものとして認識されてきたのではないでしょうか。 でも、よく考えたら、これって相当異常な考えだと思うのです。例えば、男性同士の場合、男友達の家に遊びに行ったら、性行為をすることに同意したことになるのでしょうか? そんなわけない、と思う人が大半だと思うのですが、なぜそれが男女だと「家に上がる=性的同意」になるのでしょうか。 どちらかが動画配信サービスに登録しているから家で一緒に観るとか、一緒に料理する・お菓子を作るとか、ゲームをするとか、家具の組み立てを手伝ってもらうとか、家ですることなんて他にいくらでもあるはずです。また、筆者の場合、仕事で使うものを男性の知り合いに借りに行った際、カフェに持ってきてもらう手はずだったのですが、家に忘れたから取りに来てほしいと言われ、家までいったことがあります。それで性的同意だととられたら、たまったものではありません。
お互い好意があっても、性的行為は別の問題
そもそも、〇〇をしたら性的同意って、存在しないと思うのです。中には、サシで飲みや晩御飯に行ったら性的同意という意見の人もいます。でも、実際は同意したのはご飯を食べることだけ。家に上がるのだって、同意したのは家に上がることだけです。 さらに言えば、たとえホテルに行ったとしても、途中でどちらかがやっぱり嫌だと言えば、止める必要があるでしょう。 付き合っていたり、結婚していたりしても、同意は必要です。お互い好意を持っていたいとしても、性的行為をしたいかどうかは別の問題です。 長い間言われてきた、「男はそういうものだから」みたいな考え方って、もういい加減変えないといけないときがきていると思うんです。そんな異常な考え方が放置されてきたから、被害に遭った女性が、「自衛しなかった方が悪い」と責められる現状が変わらないのではないでしょうか。SHELLYさんが指摘するように、男性が「家でふたりきりになる=性的同意」という認識でいることを黙認する風潮は、それを念頭におかず、ついていった女性にも落ち度がある、という風に被害者に対するバッシングに繋がってしまっている実情があるのではないでしょうか。