部屋にあがる=性的行為同意か。男女の意識の違いにネットでも大激論。『上田と女がDEEPに吠える夜』から考える
未然に被害を防ぐべき、加害者にならない教育を――ネットで大激論
これを受けて、ネットでは、「上田さんの意見は正論」「どちらの意見も間違っていない」「SHELLYさんの意見が正しい」と様々な立場に分かれて大激論に。 まず、上田さんを支持する人たちは、現実問題として、「家でふたりきりになる=性的同意」と捉えている人が少なからずいる以上、自分の身を守るために、その気がないなら家に行く(上がらせる)べきではないという意見です。事件が起きてからでは遅い、未然に被害を防ぐためには可能性の芽を詰んでおくべきだ、ということでしょう。 一方、SHELLYさんを支持する人たちは、「加害者にならないよう教育するべき」「娘を被害者にしないようにという教育から、息子を加害者にしないようにという教育へ転換が必要」といった声が上がりました。
「被害に気を付ける」よう喚起するポスターばかり
レイプ「しないよう」教えられるのではなく、レイプ「されない」よう教える文化を「レイプ・カルチャー」と呼ぶそうですが、日本ではまさに過剰なレイプカルチャーが浸透しているように思います。 痴漢や盗撮の問題でも議論になりますが、被害に気を付けるよう喚起するポスターばかりで、過剰に自衛を促す風潮は、「自衛しなかった方が悪い」というVictim Blaming(被害者非難)に繋がりかねません。自衛を促すものよりも、加害しないよう喚起するポスターを貼るべきではないか、という声は度々上がります。 実際、性犯罪においては、被害者に「自衛しなかった方が悪い」というセカンドレイプ発言が向けられやすいのが現実です。痴漢に遭ったりしたら、「フラフラ歩いていたんじゃないか」、レイプされたら「隙があったんじゃないか」「自分から誘う素振りがあったんじゃないか」「ついていったのが悪いんじゃないか」「本気で抵抗しなかったから受け入れていると思われたんじゃないか」といったことが平気で言われるのです。例えば、これが傷害事件や強盗事件などだったら、「自分から誘ったんじゃないか」「お金を持っていたから襲われたんじゃないか」とは言われないと思います。