「本当の復興」を目指して 宮古の遊覧船・うみねこ丸の船出と厳しかった父の奮闘 #知り続ける
震災から12年 父の考える「本当の復興」
震災から12年がたとうとしているいま、父は本当の意味での復興をどう考えているのだろうか。「防波堤などハード面の復興は進んでいるが、ソフト面をもっと強化していく必要がある。その上で重要なのが、宮古市の魅力をより高めることだ」と父は見ている。「東日本大震災の被災地」というだけでなく、改めて地域の観光資源を活用した観光業の活性化が今後の鍵を握る。 「どこかひとつの施設だけでは観光を盛り上げることはできない。宮古にはきれいな浄土ヶ浜という海もある。それに加えて若い人が開発した『瓶ドン』(海鮮丼)など魅力的なグルメなども流行している。人口がどんどん減っている今、若い人たちの力も借りつつ、観光業で宮古を盛り上げていくことは大事になる。震災だけでなく宮古の本来の魅力をうみねこ丸を通して発信していきたい」
「宮古は生まれ育った場所だし、知り合いや友達もたくさんいる。住み良い場所だと思う。宮古に住んでいる人で宮古を嫌いな人はいないと思う」。そう語る父の表情を見ると、この人は本当にこの町が好きなんだなと感じる。そして、そんなたくさんの仲間たちたちと一緒に働くことが父の生きがいなのだと思った。 父とうみねこ丸の航海は始まったばかりだ。宮古市のために四六時中動き回る父の姿は、「本気で何かに取り組んでいないやつが泣くんじゃねえ!」という言葉をまさに体現しているようだった。
「#知り続ける」は、Yahoo!ニュースとLINE NEWS、メディア、ユーザーとで考えたい社会課題の1つです。災害大国に住む私たちが知っておきたいこと、備えておきたいことは何か一緒に考えてみませんか?