「人間は幸せにならないようにできている」―自分の好きなように生きる清水ミチコが大切にすること
自分の弱さを理解することは人間的なつながりも生む
――生きやすくするために、他に工夫されていることはありますか? 清水ミチコ: 人間関係は弱さを出した方がうまくいきますね。「もっと弱さをさらけ出しても大丈夫なんだ」っていうのを少しずつ思えるようになりました。 「私がこうやるからね」というのは自分の手柄になって気持ちいいけど、人は「悪いんだけどこれやってくれない?」って頼まれる方が嬉しいものなんですよね。だから、自分の弱さを出して「これはどうしてもやる気がしないから、今日はちょっとやってくれないか」と言った方が人間的なつながりもできますよね。 10年くらい前、自分をちょっと変えようと思っていた時期に、車いすで立ち往生しているおじいさんがいたので、思い切って「何か手伝えることありますか」って声をかけたんです。「悪いけどあそこのスーパーの玉ねぎ売り場まで頼む」って言われて、結構遠いな~と思いながらも手伝いをしたことがあって、それからは人に声をかけることが苦にならなくなりました。一度自分を解放すると、こんなに楽なんだなという学びになりましたね。 ----- 清水ミチコ 岐阜県高山市出身。学生時代からラジオや雑誌などに投稿し、1983年からラジオ番組の構成作家を始める。次第に出演機会も増え、1987年にはフジテレビ系『笑っていいとも!』レギュラーとして全国区デビューを果たす。同年、CDデビュー。独特のものまねと上質な音楽パロディで注目され、テレビ、ラジオ、映画、エッセイ、CD制作など幅広い分野で活躍中。毎年の武道館単独公演も恒例になっている。 文・清永優花子 (この動画記事は、TBSラジオ「荻上チキ・Session」とYahoo! JAPANが共同で制作しました)