【子どもの食の悩みあるある】専門医がアドバイス!スプーンを嫌がる、少食で体重が増えない、食事中に立ち歩くなど
【お悩み4】立ち歩くので、追いかけて食べさせています(1歳)
■初めは座っていて、いくらか食べてから立ち歩くならば、それは子どもが決めたこと。追いかけて食べさせなくてよいです 親が食べさせようとしたり、「おいしいから、もっと食べて」「少ししか食べていないよ!」などと言うのは強制です。子どもは嫌で逃げ出すので強制はやめましょう。 ほかには環境の見直しも必要です。食事のときにテレビをつけたままにしておくなど、子どもの気が散るような刺激は避けてください。「みんなが食べ終わったら、テレビを見ようね」などとあらかじめルールを決めておきましょう。 親が追いかけてまで食べさせると、子どもはゲーム感覚になります。立ち歩きながら食べるのは、誤えんのリスクもあるのでやめましょう。
【お悩み5】家で作ったカレーは食べずに、キャラクターのレトルトカレーしか食べません(2歳)
■子どもは視覚優位なので、パッケージとセットで記憶しています。パッケージから出したものを食卓に カレーを含めて15~30品目以上のメニューを食べられていますか? 20品目以上を食べられていたら、家族でカレーを食べるときは、しばらくはキャラクターのレトルトカレーでもよいと思います。年齢が上がると、家族と同じカレーを食べたくなるかもしれません。 食べられるメニューが20品目以下で、食べられるものが限られている場合は、キャラクターのレトルトカレーを食べ飽きる可能性があります。ほかのカレーも試して飽きない工夫をしましょう。 また子どもは視覚優位なので、パッケージとセットで記憶しています。そのため初めからパッケージを見せないようにして、パッケージから出したものを食卓に並べることを勧めます。 すでにパッケージに執着しているときは、子どもの様子を見てパッケージを見なくても食べるようになったら、別のレトルトカレーに切り替えてみましょう。別のレトルトカレーでも食べる→さらに違うレトルトカレーも食べる→家庭のカレーも食べるというステップアップで、「〇〇だけ」にならないようにしましょう。 ※『子どもの偏食Q&A-あるある悩みにどう答える-』(中外医学社)より引用構成
【記事監修】 大山牧子先生|神奈川県立こども医療センター新生児科 岡山大学医学部卒。1985年~2022年3月神奈川県立こども医療センター新生児科医長を務める。2022年4月から同新生児科非常勤医師として偏食外来を担当。2023年より、「こども偏食少食ネットワーク」を通じて子どもの食べることに関するオンライン養成講座を監修。著書に『子どもの偏食外来』(診断と治療社)、『子どもの偏食Q&A―あるある悩みにどう答える―』(中外医学社)など。
取材・構成/麻生珠恵