【子どもの食の悩みあるある】専門医がアドバイス!スプーンを嫌がる、少食で体重が増えない、食事中に立ち歩くなど
【お悩み1】離乳食を始めたのですが、スプーンを嫌がります(生後6カ月)
■この時期は、離乳食は栄養・カロリーを摂るというより食べる練習の段階です 子どもは、自分でお座りできますか? もし座れるようでしたら、家族の食事の時間に機嫌よく起きているならば、椅子に座らせて食卓に参加させてみましょう。 椅子は背当てと足台のあるハイチェアやローチェアがいいでしょう。目標は、機嫌よく5~10分でも椅子に座れることです。眠いときやお腹が空いて機嫌が悪いときは、食卓に参加させなくてよいです。 また無理に食べさせようとせずに、親が食べているものに興味を持ったら、子ども用のトレイに手づかみ食を置いてみてください。触ったり、握ったりしながら、子どもは食べ物に興味を持つようになっていきます。 スプーンで与えるのは、椅子に機嫌よく座れるようになり、興味津々で口を開けたときだけにしましょう。まだミルクや母乳から栄養を摂る時期なので、栄養不足の心配はいりません。
【お悩み2】2300gで生まれました。少食で、落ち着いて食べないため体重が増えません(1歳9カ月)
■食を強制するのはやめましょう。成長曲線で身長の伸びを確認してみてください 低出生体重だと、体重を増やすためにたっぷり母乳やミルクを与えたり、食べさせようと考えがちです。しかし、子どもは自分で必要な量を飲んだり、食べたりするものです。 食べる量を決めるのは子どもです。「もっと食べなさい!」「食べないと大きくならないよ!」と言葉をかけたり、怒った表情をしたり、無理にスプーンを口に入れたりして子どもに食を強制するのはやめましょう。 その代わり、親がよい見本を示しましょう。食事の途中で、親が調味料などを取りに席を立つと、子どもも気が逸れて落ち着かなくなるので、親は落ち着いて座り、楽しく食事をしてください。 また成長曲線に沿って、その子なりに身長が伸びていれば必要な栄養は摂れていると考えてもよいかもしれません。
【お悩み3】粒のある離乳食を与え始めたら吐いたり、えずきます(生後8カ月)
■噛むという微細運動のためには、お座りが安定していることがカギです お座りが安定していないときは、みじん切りなどの粒状のものを与えるのは、もう少し待ちましょう。 お座りが安定している場合は、①1回の量が多くないか、②子どもが離乳食を食べてまだ唇を閉じていないのに、次の離乳食をスプーンで流し込んでいないか、確認してください。 1回の量が多いときは、量を減らして「お口ムーだよ」と言いながら、一緒に唇を閉じる練習をしましょう。 また、いつものペースト状の離乳食の一部にみじん切りにした食材を加え、子どもが欲しがるタイミングで「いつもと同じ大根さんだよ」などと言いながら、少量を下唇に乗せる感覚で与えます。子どもは親しんだ味と食感に安心しつつ、粒を唇と舌で感じると上顎と舌でもぐもぐとつぶし始め、次第に舌を横に動かして歯ぐきで噛み始めるでしょう。