「現代中国映画祭2024」開催決定! 4作品が日本初上映、奇才チュウ・ジョンジョン監督を特集
世界中の映画祭を席巻し、本国内でもヒットを続ける中国映画の最前線を味わえる「現代中国映画祭2024」が、シネ・リーブル池袋にて11月22日~12月12日、テアトル梅田にて12月13日~12月26日に開催されることが決定。日本初上映の4作品を含む全15作品が披露される。 北米と肩を並べるほどの産業規模となった中国映画市場。産業的な成長と拡大の恩恵により、才能あふれる若手監督も輩出されるようになり、世界各国の映画祭では若手監督の作品が数多く入選し、大きな話題を呼んでいる。同時多発的に“個”の才能が噴出している今の中国映画界は、世界の中で“熱い映画市場”であり、同時に中国映画の歴史の中で最も“エキサイティングな時代”とも言えるだろう。 そんな現代中国映画の大きなうねりをリアルタイムで体験できるのが、特集上映「現代中国映画祭2024」(予告編 https://youtu.be/T85Y8FEhuz8)だ。 Director in Deep Focus部門「鬼才チュウ・ジョンジョン傑作セレクション」では、「マダム」「痴」「椒麻堂会」 を上映。Chinese Now Hits部門では、トニー・レオン&ワン・イーボー共演、チェン・アル監督7年ぶりの新作「無名」、ヨン・メイが主演し、中国で社会現象にもなった傑作女性映画「家出の決意」、中国映画における近年最高のエンタメ傑作とも評価される感動のヒューマンドラマ「いいひと」を上映。 Chinese New Wave部門では、第25回釜山国際映画祭で高評価を得たツァイ・ジエ監督の「失った時間」、スー・チーを主演に据え、新鋭チン・シジョンが監督を務めた最新作「彼女」、第71回サン・セバスティアン国際映画祭に出品されたリャン・ミン監督の「鉄西区に生きる」。「Play Back」Selection部門では、第73回ベルリン国際映画祭コンペティション部門出品「アートカレッジ 1994」、第25回上海国際映画祭コンペティション部門「金爵奨」最優秀アジア新人脚本賞受賞「船に乗って逝く」、第22回東京フィルメックスコンペティション部門出品「永安鎮の物語集」、第72回カンヌ国際映画祭批評家週間クロージング作品「春江水暖 しゅんこうすいだん」、第68回ロカルノ国際映画祭オフィシャルセレクション「郊外の鳥たち」、北京電影学院の卒業制作でありながらアジアの映画祭・映画賞を席巻した「宇宙探索編集部」の6本が披露される。 ●上映作品(全15作品) ★Director in Deep Focus部門:鬼才 チュウ・ジョンジョン 傑作セレクション 「マダム」★チュウ・ジョンジョン監督特集上映作品 服飾デザイナーをする傍ら、派手な女装をし、マダム・ビランダと名乗りステージに立つクラブ歌手。同性愛者がまだまだ生きづらい中国にあって、ゲイである彼がここに至るまでには様々な苦労があった。赤裸々に語られるインタビュー映像と、クロスして流れる彼のステージシーンが、ときに笑わせ、ときに涙を誘う。 「痴」★チュウ・ジョンジョン監督特集上映作品 反右派闘争で右派とみなされ、1958年から80年まで強制労働所や刑務所に送られた張先癡へのインタビューと、彼の回想に基づく舞台劇風の再現ドラマを通じて、中国現代史と人間を描くことに挑んだ創意あふれるドキュメンタリー&フィクション。 「椒麻堂会」★チュウ・ジョンジョン監督特集上映作品 四川オペラの名優であったチュウ・フーがこの世を去る。フーは冥界へ赴く道すがら、最期に自分の人生を振り返る。戦争・飢饉・政治的混乱といった不穏な運命に翻弄されながらも、劇団と共に生きた波瀾万丈の彼の生涯とは──。 ★Chinese Now Hits部門 「無名」 1941年、日中戦争下の上海。日本の傀儡政権である汪兆銘政権の政治保衛部諜報員フーは、任務に失敗して処刑されるはずだった国民党の女スパイを密かに助けたことで、上海に住む日本人要人リストを手に入れることに成功。だが、部下のイエは日本側とも繋がる二重スパイで──。監督はチェン・アル。 「家出の決意」1 ★インターナショナル・プレミア/日本初上映 リーは家族のために人生を捧げ、良き娘、良き妻、良き母としての役割を忠実に果たしてきた。終わらない家事と生活の重荷が、彼女をうつ病に追い込む。絶望の中、彼女は人生の別の選択肢を見つけ、新たな人生の旅を計画し、本当の自分を再発見していく。監督はイン・リーチュエン。 「いいひと」 ★日本初上映 不運続きの男ピンアン。友人を庇って刑務所に入っている間に、妻は娘を連れて再婚。出所後は墓地のセールスマンとして働いており、生活は苦しいが、常に楽観的に生きている。ある日、亡くなった顧客の不名誉な噂を晴らすため、数々の見えない悪意と戦うことになる。監督はダー・ポン。 ★Chinese New Wave部門 「彼女」 ★日本初上映 中国南部の静かな村。フォンタイ一家は新しい家族の誕生を待っていたが、予期せぬ変化が一家の静かで美しい生活を壊してしまった。挫折と変化の中で、フォンタイは自分を見つめ直す旅に出る。監督はチン・シジョン。 「鉄西区に生きる」 ★日本初上映 鉄西区に暮らしているシュは尿毒症になり、人生が崩壊してしまう。やんちゃな父親、謎の同級生・チャオ、親友のタンは、シュの命が消えかかっていく中で彼女を必死に守っている。そんな生活の中で、シュは再び“生きる”ことに希望を持ち──。監督はリャン・ミン。 「失った時間」 結婚式を間近に迎えたティンは、母親に促されて、広州から香港へ向かい、20年間行方不明の父親を探し始める。旅の途中で、ティンは過去の曖昧な記憶が蘇り、予期せぬ出会いが家族の真実を明らかにしていく。監督はツァイ・ジエ。 ★「Play Back」 Selection部門 「アートカレッジ 1994」 中国が欧米文化を取り入れ始めた1990年代初頭。南方芸術学院に通う学生たちは、伝統芸術と現代的な前衛芸術の板挟みで苦しみながらも、自分たちの理想や芸術を追い求めて、懸命に生きているが、モラトリアムは終わり人生の決断が迫られる。監督はリウ・ジエン。 「船に乗って逝く」 田舎の河沿いで暮らしていた老婦人・シュウは、悪性の脳動脈瘤で余命宣告をされた。都会で会社を経営するシュウの娘は、治療が大変でも諦めないと主張する一方で、シュウの息子は余命を気楽に過ごさせたいと意見が対立。やがて死が迫ってくる時、家族たちの最後の選択は…。監督はチェン・シャオユー。 「永安鎮の物語集」 映画の製作チームが撮影準備のために湖南省の小さな町にやって来たところから派生する3つの物語(「ひとり待つ」「美しく見える」「冥王星の瞬間」)。映画の製作が地方の田舎町に引き起こす幾つかの「波紋」が多面的に切り取っていく。監督はウェイ・シュージュン。 「春江水暖 しゅんこうすいだん」 富春江が流れる杭州市富陽。再開発真っ只中の地区に住むグー一家。家長である老いた母の誕生日を祝うために、4人の兄弟や親戚たちが集う。その祝宴の最中に、母が脳卒中で倒れてしまう。変わりゆく世界に生きる親子三代の物語。監督はグー・シャオガン。 「郊外の鳥たち」 地盤沈下が進んだ地方都市。地質調査にやって来た測量技師の青年ハオは、廃校になった小学校の机の中から、自分と同じ名前の男の子の日記を発見する。そこには、開発が進む都市で日常を謳歌する子どもたちの姿がつづられていた。2つの物語が複雑に絡み合い、現在と過去が交差していく。監督はチウ・ション。 「宇宙探索編集部」 廃刊寸前のUFO雑誌【宇宙探索】。編集長のタンは、中国西部の村に宇宙人が現れたという情報を掴み、仲間たちを引き連れて西へと向かう。そこで彼らを待ち受けていたのは、予想と人智をはるかに超えた出来事だった……果たしてタンたちは宇宙人に出会えるのか? 監督はコン・ダーシャン。