【筑後鷹】育成3年目の西尾歩真が迎えた分岐点 「牧原大塾」入門で攻守に磨きをかける
育成3年目を迎えたソフトバンクの西尾歩真内野手(24)は、福岡県久留米市内である牧原大成内野手(32)の自主トレに初入門する。師匠の下でシュアな打撃と安定した守備に磨きをかけたい考え。今季の目標は2軍定着。激戦区となる遊撃でアピールしていくつもりだ。 新年を迎え「すべてにおいて変わりたい」と誓う西尾が牧原大の自主トレ入門で飛躍のヒントをつかむ。 「(24年は)セカンド一本でしたけど、牧原さんみたいにどこでも守れたりとか、そういう武器をつくらないと生きていけない」 ずっと憧れていた。牧原大が攻守でユーティリティーに活躍することから藤本前監督に“鷹のジョーカー”と評された頃からファンだった。身長もあまり変わらない。目指す選手像の気がした。昨年8月に食事をともにする機会があり「自主トレどうするんや?」と声をかけられたことが、弟子入りのきっかけになった。両親に「プロ入りできて自主トレするなら牧原さんのところに絶対に行きたい」と語っていたほどの念願がかなった。 1年目の23年は2軍で70試合に出場して打率・228だった。昨年は23試合と出場機会こそ減ったが、打率・308まで引き上げた。昨年の2軍での守備機会は遊撃11試合、二塁9試合、三塁4試合でいずれも無失策。「バッティングは去年(1年目)よりやれた」という手応えをさらに強くさせたい考えだ。 レジェンドからも背中を押されていた。昨年11月に長崎であった野球教室「ベースボールキッズ」の開催前日に昨年限りで現役引退した日米通算165勝の和田毅氏を囲む食事会に参加した。牧原大の自主トレへ参加は決まっていたが、「自主トレは絶対にどこか行った方がいい。お願いした方がいい。絶対自分のためにもなるし、考え方も変わるから」との言葉が心に残った。球団の垣根を越え、多くの若手が参加する自主トレ「和田塾」を開いてきた左腕の言葉に深くうなずいた。 本職は遊撃。ファームでは同期入団のイヒネ、勝連、山下らに加えドラフト2位の庄子、同5位の石見らと激戦必至だ。背番号170。1メートル67と小柄なことからインスタグラムで投稿する際、ハッシュタグに「背番号を自分の身長より小さくしたい」と記している。「2軍に居続けることが最低条件。(支配下は)そこからです」と存在感を出していく。 (杉浦 友樹) ◇西尾 歩真(にしお・あゆま)2000年(平12)6月20日生まれ、三重県出身の24歳。中京学院大中京では甲子園出場なし。中京学院大から22年育成ドラフト13位でソフトバンクに入団。背番号は170。1メートル67、66キロ。右投げ左打ち。