日本人クリエイターが見た、米国デジタルトレンドの“リアル”
近年は日本からの出展も近年増加しており、今年は東京大学の在校生と卒業生の有志で結成されたプロジェクト「Todai to Texas」、「DMM.make AKIBA」を展開しているABBALab(アバラボ)、カンヌ国際広告賞で金賞を受賞したスダラボの田んぼアート「Rice Code」、自分自身の身体の動きで音楽を奏でることができる「KAGURA」を出展したしくみデザインなど、約60の企業・団体が参加。練りに練ったインタラクティブな技術やアイデアで、会場を訪れる目の肥えた海外の企業担当者や投資家からの評価に挑んでおり、望月さんが所属する博報堂アイ・スタジオも、同社のクリエイターとエンジニアの有志からなるクリエイティブラボラトリー「HACKist」から3つのプロジェクトを出展しました。
スマートフォン向けメッセンジャーボックス「POSTIE(ポスティ)」は、送信側、受信側双方のiPhoneに専用アプリをインストールし、受信側のiPhoneを箱型の端末にセットすると、送信側のiPhoneに書いた手書きのメッセージや写真、スタンプを相手に手紙として届けることができるというもの。笑顔になったときに自動的にシャッターを切る表情検出センサーとスマートデバイスを活用したセルフィーカメラユニット「Smilfie Pod(スマイルフィ ポッド)」、野菜が自身のトレ―サビリティを、実際に育ててくれた農家の人の声で話しかけるという博報堂とスダラボが共同開発した世界初の野菜プロモーションツール「Talkable Vegetables(トーカブル・ベジタブル)」と合わせて、「いろいろな国の方がアイデアや体験を評価してくれた」と望月さんは振り返ります。
「それぞれのアイデアは、広告で培ったコミュニケーションデザインのノウハウや、問題解決の技法をどうやって新しいものづくりに適用するかという観点で考えました。東大のチームはテクノロジーの最先端を追求し、DMM.makeは日本のものづくりの凄さを披露していましたが、私たちはテクノロジーの使い方やテクノロジーが生み出す体験を生み出そうと試みたのです。年代、性別、国籍に関係なく誰にでも理解して感動することができる直感的な体験を目指し、言葉が伝わらなくてもそれぞれのアイデアが生み出す体験の面白さは伝わったのではないでしょうか」(望月さん)。