「監督はあまり伝えようとしなくていいんです。と言って下さいました」綾瀬はるかが最新主演作で思い出した“10代の頃の演技の感覚”
孤独な生活を送る清掃員が風変わりな女の子と出た旅は、不思議で情感に満ちあふれていた─『 ルート29 』は瑞々しいロードムービーだ。主人公のり子を驚くほどの自然体で演じた綾瀬はるか、野趣溢れる衝撃作『こちらあみ子』を経て2作目の森井勇佑監督。そのあみ子役から2年、今回は少女ハル役の大沢一菜はまさに旅の同志だ。 【写真】この記事の写真を見る(3枚)
綾瀬のことが好きすぎる大沢
─綾瀬さんの撮影中、カメラマンの横から大沢さんもコンパクトカメラで楽しく“激写”していましたね。 大沢 (横に座る綾瀬を直視できず、もじもじしている) ─あれ、先ほどまでの勢いはどこに……。 森井 一菜は、綾瀬さんのことが好きすぎるんです(笑)。 綾瀬 私がドラマで取り組んだアクションが好きだって言ってくれるんです。(大沢に)とてもシャイだし、今日は久しぶりに会ったもんね。 森井 ずっと前から好きみたいですよ。今回も主演が綾瀬さんに決まったと連絡したら、「神!」と返事が届きました。 大沢 うん、送った……(笑)。 綾瀬 アハハ、嬉しい! 監督と一菜ちゃんは、もう親友ですよね。私と一菜ちゃんは、撮影の最初はいい感じの距離感があって、だんだんと近づいていって……まるでのり子とハルの関係のようでした。
自分の素のままでいられる、楽しさがある現場
─それぞれの抱える孤独が交わる映画ですね。綾瀬さんと大沢さんがまとう、生々しい存在感も魅力的です。 綾瀬 撮影初日に監督は、「『そこにいる』ことが大事だから、あまり伝えようとしなくていいんです」と話してくださいましたよね。「僕は、綾瀬さんのことを変な人だと思っています」とも(笑)。 森井 ちゃんと変だからそのままで大丈夫、安心してくださいと(笑)。綾瀬さんは2日目の朝に「のり子の感覚って、ひとり家でいるときがずっと続いている感じなのかな」と、私も言語化できていなかった感覚を一気に導き出してくださった。一方のハルは一菜へのあて書きで、本人が言いそうなことを台詞にしています。