「出演させて」園芸番組に自分から逆オファーした北澤豪 選手引退後にハマった畑作り「豆植えでは鳩とも攻防戦が」
アスリートでも会社員でも引退後に「することがない」と話す人もいますが、サッカー日本代表選手として活躍した北澤豪さんは引退後もサッカー協会の仕事、子どもたちの指導、畑作り、テレビの情報番組の出演など大忙し。いまも東へ西へと駆けぬける日々を聞きました。(全4回中の3回) 【写真】自家製の野菜を食べて「健康美人」に育った娘さんとの貴重な写真を公開 ほか(全18枚)
■野菜作りの秘けつを知りたい「園芸番組に逆オファー」 ── 現役引退後はサッカー解説者など、メディアでも幅広く活躍されています。2012年からは5年間、NHKの園芸番組『趣味の園芸 やさいの時間』にも出演され、野菜作りに打ち込む姿が印象的でした。もともと園芸には興味があったのですか?
北澤さん:父親が畑を借りて趣味で野菜を作っていたので、子どものころから園芸や農業には興味がありました。もともとは好き嫌いが多い子どもでしたが、家で作る野菜は新鮮ですごくおいしかった。おかげで、野菜嫌いを克服できましたね。大人になってからは、自分でも畑を借りて野菜を育てていたのですが、なかなかうまくいかなくて。収穫はできるけれど、おいしくないんですよね。一度、きちんと専門家から学んでみたいなと思っていたので、NHKに「ぜひ出演させてもらえませんか」と逆オファーをしていたんです。
── 北澤さんからのアプローチだったのですね。 北澤さん:そうなんです。だから、僕にとって最高に楽しい時間で、毎回ノリノリでしたね。番組で先生に野菜作りのポイントを教わってからは、すごくおいしい野菜が収穫できるようになって感激しました。やっぱり専門家に教わることは大事だなと。園芸って、ちょっとスポーツに通じる部分があるんですよ。 ── 園芸がスポーツ…ですか? 北澤さん:どちらも野外で体を動かすし、体力がないとできません。それに、土とふれ合う感触や大地の匂いなど、グラウンドにいるときのような感覚があります。野菜を育てる過程は、子育てや選手の育成とも共通する部分が多いです。すぐには結果がでないけれど、手間と時間と愛情をかけることで着実に応えてくれる。成長した姿を見ると、達成感が得られます。実のなる部分に栄養を行きわたらせるために、いらない枝を切らなくてはいけないのですが、せっかく手塩にかけて育ててきたから、切りたくなくなって…それが悩ましいところですね。