腸内環境を整え、アンチエイジングにもなる「老けないおやつ」は?「太りにくいおやつ」との違いも
2021年に内閣府が高齢者向けに行った調査によると、普段、食生活について気になっていることは「栄養のバランスがとれていない」ことだと答えた人は約2割いたそう。「見た目の若さには、日々の食事が関係している」と話すのは、『老けない最強食』(文春新書)を著したジャーナリストの笹井恵里子さん。その笹井さんいわく、「腸内環境を良好に保てなければ肌荒れにつながりやすい」そうで――。 【表】老けないおやつ ベスト10は!? * * * * * * * ◆決め手はタンパク質と食物繊維 老けないためには、ビタミンやミネラルを摂取する必要がある。だが、市販されている菓子類の場合、調理の過程でそれらが失われやすい。 だからビタミンやミネラル以外でおやつに老けない作用を期待するなら、「タンパク質と食物繊維」が多いものがいい。 なぜなら両者は熱に強くて加工しても栄養素が失われにくく、それでいてアンチエイジングに欠かせない要素をもつからだ。 タンパク質は肌、筋肉、血液、髪の毛、ホルモンなどのもとになり、食物繊維は糖質の吸収をゆるやかにして血糖値の上昇を抑え、不要な物質や有害な物質を吸着して体外に排出して、腸内環境をよくする働きを担っている。 反対に腸内環境を良好に保てなければ肌荒れにつながりやすい。 管理栄養士の望月理恵子氏がこう補足する。 「体内に老廃物が溜まっていたり、必要なものが不足してしまうと、すぐに肌の状態が悪化してしまいます。年齢とともに肌をつくる周期も変わりますが、基本的に28日で新しい肌に生まれ変わります。この周期をターンオーバーといい、これが円滑に行われれば肌は美しい状態を保つことができるのです。肌には体の健康状態が現れやすいともいえますね」 また両者が含まれると満腹感が増しやすいというメリットもある。
◆「老けないおやつベスト10」 下の「老けないおやつベスト10」を見てみよう。 ランキング1位は「肉まん」。言うまでもなくタンパク質(肉)が多く含まれている。同じカテゴリーの「あんまん」は、タンパク質が肉まんより低下して3位。製法によっては砂糖の量も気になるところだ。 2位、そして4位から8位は和菓子が占め、どれも「小豆」が含まれているのが特徴だ。「小豆には赤ワインの1.5~2倍ものポリフェノールが含まれ、豆類の中でも抗酸化作用が強いです」と望月氏が言う。 「その働きは大きく三つあり、血糖値や血圧の上昇を抑え、コレステロール値や中性脂肪値を下げます。また食物繊維もゴボウの1.4倍あるため、腸内環境を整えるのです。老けない体づくりをする食品の一つといえますね」 特に日本の小豆(エリモショウズ、しゅまり)は輸入小豆よりも抗酸化性が高いという。ぜひとも国産小豆を原料にしたおやつを選びたい。 8位の「笹団子」は、「よもぎ」入りなら小豆に加えてさらに老けない作用が期待できる。よもぎは食物繊維が豊富で血行促進の作用があるのだ。草もちや草団子も、笹団子とほぼ同様の栄養素を含む。 9位の「シュークリーム」には生クリームの乳成分にビタミンAやD、カルシウムなどが含まれているのが魅力。