インプレッサーブを知ってるか? インプレッサスポーツワゴンのサーブ版9-2Xの黒歴史とは
フロントマスクはどう見てもサーブなんだけど、後ろ姿がサーブぽくない……。これってなんのクルマ?そう、同じGM傘下のスバルとサーブが共同開発したのが9-2X、インプレッサスポーツワゴンである。 【画像ギャラリー】オシャレ顔に似つかぬ水平対向エンジン!インプレッサだけどちょっと違う?誰も知らないサーブ9-2Xとは(10枚) 文:ベストカーWeb編集部/写真:ベストカーWeb編集部
■スウェーデンとの共同開発で誕生したインプレッサ
サーブ9-2Xとネーミングされたこのクルマの正体は、スウェーデンのサーブと日本のスバルが共同開発したクルマ。 2004年12月から開催されるロザンゼルスショーで発表されたサーブ9-2XはともにGMグループに属するスバルとサーブの初の共同開発車となる。見ての通り、デザインはサーブが担当し、ハードの開発はスバルが担当した。 とはいえ、特にルーフラインはリア回りを見ればおわかりだと思うが、ベースになっているのはインプレッサスポーツワゴン。Cピラーのあたりにはインプレッサっぽさが微妙に見え隠れしている。いわゆるバッジエンジニアリングだ。
■エンジンはスバルお得意の水平対向を搭載
エンジンはもちろん水平対向4気筒で、2.5LNA(160ps)と2Lターボ(227ps)の2タイプが用意されている。WRCのインプレッサで定評のシステムだから、アメリカ、カナダのユーザーだからアメリカ、カナダのユーザーにも説得力は大きい。 発売開始は2004年7月からとなり、価格は2.5LNAのリニアが2万ドル以下、2LターボのAEROが2万5000ドル程度(当時のレートで約270万円)となる模様。スバル群馬工場で生産され、アメリカ、カナダに向けて年間1万台程度輸出された。 当時のスバル竹中社長は「スバル独自のシンメトリカル4WDを世界に広めるためにサーブを搭載するのは有効な戦略」とコメント。 サーブ9-2Xは北米専用車ということで、残念ながら日本では販売されなかった。
■僅か2年という短命モデル
その後、9-2Xは2005年10月に富士重工業とGMの資本提携が解消されることとなり、9-2Xの生産は2006年モデル限りで中止となった。 サーブはバブル時代にはサーブ900ターボ16や9000など日本でも人気となったが、9-3や9-5となってからは人気も下降気味に。最近では映画『ドライブ・マイ・カー』にサーブ900ターボが出演したことでも話題となった。