新NISAの「長期つみたて投資」戦略…どんなに価格が上がっても、下がっても「絶対売却してはダメ」なワケ
換金のタイミングは「お金が必要になったとき」でいい
新しいNISAは、非課税期間が無期限ですが、そうなると、今度は売却のタイミングに迷う方も出てくるでしょう。 筆者はその質問に、「売却のタイミングは、お金が必要になったとき」だと回答しています。 突然お金が必要になったら、そのときに売却してお金を引き出せばよく、老後に生活費が足りなくなったら、そのときに売却してお金を引き出せばいいのです。大切なのは、冒頭でも申しあげたとおり、値上がりしたから売る、値下がりしたから売る、といった行動をとらないことです。 また、1人あたりの上限1,800万円となっていますが、こちらも、早く埋めるほど節税効果を長く得られることになり、お得です。
家族全員の活用でお得になるが…高齢の親には注意点も
ご夫婦で新NISAを始めた場合、非課税枠の合計が3,600万円になり、18歳以上の子どもが2人いる4人家族なら、7,200万円に広がることになります。このことから、ご家族すべての方がNISA口座を開設し、できるかぎり大きな金額を投資に充てるといいといえます。ちなみに、家族による使い分けはありません。 このように「新NISAで投資しないのは損」くらいの勢いで、積極的に活用していただきたいのですが、1点だけ、相続については要注意です。 NISA口座に資産を持つ親が亡くなると、口座は相続財産となり相続税が課されます。せっかく所得税が非課税となったとしても、相続税は非課税になりません。 もし相続税対策を考える場合は、親から子ども、または孫へ、暦年贈与の非課税枠である毎年110万円を贈与し、子どもまたは孫が自分のNISA口座を使って投資するとよいでしょう。
「つみたて投資枠」「成長投資枠」の資金配分は?
新しいNISAは「つみたて投資枠」と「成長投資枠」に分かれており、使い分けに悩む方が多くいらっしゃいます。 しかし、つみたて投資枠と成長投資枠は、単なる資産の置き場所にすぎません。最もよい商品を選び、それを両方の枠で買えばよく、配分などを考える必要はありません。