「モリヤス最大の長所」は攻撃的3バックでも交代策でもなく…「指導者ハセベも、最高の答えだ」トルシエが驚く“森保流マネジメント”の進化
ミトマ、ドウアン、クボも素晴らしい選手だ
――3-4-2-1システムで、サイドを攻撃的に活用しています。 「それはボールを保持できるからだ。フランスやドイツが相手でも、同じシステムで戦えると私は思う。だが、強いチームが相手となると、無意識的により守備的な選択を取るかもしれない。しかし伊東純也や中村敬斗、三笘薫、堂安律、久保建英も素晴らしい選手たちで、サイドから積極的に仕掛けられる。中国戦の久保は本当に素晴らしかった」 ――両サイドで優位性を作れるのは、現在の日本代表の強みとなりました。 「違いを作り出せる選手がいる。久保や伊東、中村、三笘、南野拓実……。彼らは個の力もあるうえにコレクティブで連動性にあふれている。チームのために献身することを厭わない。またキックも正確で、伊東や久保は質の高いCKやFKを蹴ることができる。すべてが揃った完璧なチームと言える。繰り返すが、日本史上最高の世代で、とても強固だ。チームはまだ若く、2026年W杯は日本にとって素晴らしい大会になるだろう」 ――たしかにすべてがうまくいっています。 「もう一度言うが、このシステムのキモは3人のDFで、彼らが高い位置を保っていることだ。もちろんサポートも必要で、それを担っているのが田中と遠藤だ。彼ら5人がいるから、5人の攻撃陣――中村と伊東、久保、南野、小川航基が自由にプレーできた。5人が守備を強固に固め、3人のCBのクオリティ――この場合は攻撃的な能力で、ボールを失うことなく正確にコントロールできる能力が、超攻撃的なシステムを機能させている」
日本のベンチは“長い”。セルティック勢も…
――インドネシア戦(○4-0)では田中に代わって守田が、久保に代わり堂安が先発でした。 「日本のベンチは“長い”。久保の代わりに堂安を起用できるし三笘も使える。それにセルティックの選手たちも……」 ――古橋亨梧や旗手怜央、前田大然ですね。11月の連戦ではそれぞれ途中出場しました。 「そうだ。しかし繰り返すが最大の進化は3人のCBで、彼らがチームに大きなプラスアルファをもたらした。攻撃陣の素晴らしさを称えられるのも、3人のCBがこれまでとは異なる役割を担うようになったからだ。 思うにイタリアの新しい世代も同じで、イタリア代表は3人のCBに特徴がある。直近の試合でイタリアはフランスに敗れた(※11月17日、ヨーロッパ・ネーションズリーグ最終節。フランスが敵地で3-1で勝利)が、EUROもW杯も失意に終わったイタリアに、監督のスパレッティが自信を取り戻させた。進歩の鍵は日本と同様に、3人のCBの位置取りだと私は思っている。戦術の進化は常に議論になるが、3人のCBが今日の進化をもたらしたといえる」 ――それが今の状況である、と。 「忘れてならないのは3人のCBだけでなく、彼らが前に行けるように低い位置取りをする2人のボランチも同様に重要だ。後ろに残るのが板倉ひとりだけでは、このシステムはうまくいかない。瀬古と町田が前でプレーするためには、遠藤と田中の守備のサポートが必要だ。あるいは守田英正だ。ボランチの役割は重大だ」
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