「おじさんがかわいそう…」 “パーカーおじさん”イジりに対するホリエモンの怒りはド正論ーー“おじさんイジり”がNGになった、現代の切実な事情
つまり「ハラスメントって何?」のような無知な社会人は、もはやメインストリームにはいないといえます。ハラスメント禁止はもう常識として定着しています。 むしろ今現場で起きている問題は「ハラスメント、ダメ、絶対」を理解していないことではなく、何がハラスメントなのかがしっかり理解できていないことです。 管理職だけでなく、ハラスメントを受ける側とされる一般社員も、何がそれにあたるのかを明確に理解しておらず、「業務上の指示であっても、本人が嫌な気持ちになればハラスメント」というような極端な認識をする社員も珍しくありません。
一方、管理職は管理職で、自分自身の認識に不安があるため、ハラスメントと言われるのが恐くて指示も指導もできないという人も少なくありません。 私は特に管理職や経営層に特化したハラスメント研修を多く行っていますが、参加者からは、多くの管理職が恐怖心から適正な業務指示や指導もできずに困っているという声をたくさん聞きます。 ではどのような指示だったらいいのか。前述のパワハラ3要件に加えて、厚労省の「パワハラ6類型」がその基準となっています。
1:身体的な攻撃 2:精神的な攻撃 3:人間関係からの切り離し 4:過大な要求 5:過小な要求 6:個の侵害 たとえば、終業18時の会社で、金曜の16時半過ぎに「明日までによろしく」と、数時間以上かかりそうな業務を指示することは4にあてはまり、ハラスメントの可能性ありです。 ただ、年度末や繁忙期、ビッグイベントの前日など、突発業務が十分に予見される時期だったり、単に1回依頼しただけだったりする場合は判断できません。
リストラ部屋などに収容して何もさせず放置するなど、精神的苦痛を与える行為は5の過小な要求にあてはまります。 前述のパワハラ3要件を満たし、6類型に該当する行為はダメだと、明確に規定があるのです。 ■「おじさんのパーカー」を見かけたら? では、フジテレビの件のように緊張している新人の緊張をほぐしたい場合や、今回の論争のもとである「商談でパーカーを着ている中年男性」と仕事をともにすることになったら、どう対応すべきでしょうか?