【新紙幣】プラスチック製の国も増える中で「紙」のままなのは『日本が〇〇大国』だから?偽造防止技術はパワーアップ!「タンス預金が掘り起こされ景気上昇」「キャッシュレスが進む」説も
新紙幣になるとキャッシュレス決済が進む?
新紙幣の発行によりキャッシュレス決済の普及が進むのではないかということも期待されています。コストをかけて新紙幣に対応した機械に替えるくらいなら、キャッシュレスのみにしようじゃないか、ということです。実際に、製造開始から3年間で日銀が刷った紙幣の枚数は、現行紙幣が104.2億枚なのに対して、新紙幣の予定枚数は74.8億枚で、28%減っているのです。 日本のキャッシュレス決済の比率は世界的に見てもかなり低いです。キャッシュレス推進協議会の2021年のデータでは、韓国は95.3%なのに対して、日本は32.5%でした。ただ良い面もあります。キャッシュ決済率が低い日本やドイツ(22.2%)は泥棒に遭う確率が少ないから現金を持っている、つまり治安がいいということです。偽札がないという信頼の高さからみんなが持っているというのも背景にあります。
とはいえ、キャッシュレス決済が広がると、インバウンド消費の増加につながります。外国人観光客が日本で使った金額は2023年は5.3兆円で、2024年はもっと増えるのではないかと言われていますが、キャッシュレス決済が使えた方が外国の方がお金を使いやすくなるのではないかということです。 さらにキャッシュレス決裁はビッグデータの活用にもつながります。情報が取られることに対する賛否はあるかと思いますが、例えばどこに住んでる人がどんなタイミングでお金を使ったのか、全てわかっていくわけです。そのため、効率化という意味では経済にプラスになるのではないか、そんなキャッシュレス決済の推進に新紙幣はいい契機になるのではないか、と見る人もいます。
国民が持つ現金の半分を占める『タンス預金』がカギ!?
もう一つ期待されているのが『タンス預金』が掘り起こされて景気上昇の後押しになるのではないか?という点です。日本のタンス預金は非常に多く、国民が現金で持っているお金の半分くらいはタンス預金ではないかとも言われています。 その背景として挙げられるのが、まず「預金保護は1000万円まで(1金融機関あたり)」というペイオフ解禁が2005年頃から言われ始め、預けてもなくなるリスクがあるとなったこと。特に90年代後半、金融機関がかなり不安定になった時期があるので、家に置いておこうという人が増えました。さらにバブルが崩壊してデフレとなり、お金の価値は置いておけば上がる時代だったため。さらにこれは良くないことですが、相続税を回避するという目的でやっている方が多かったのではないかということです。 新紙幣に変わると、心理的に古いお金を多く持っていたらそれを使うときに疑問を持たれるので替えておこうかということで、これが少し景気の後押しになるのではないかという見方と、新札に替えればいいだけなのでそれほど効果はないのでは、という見方と両方あります。