【新紙幣】プラスチック製の国も増える中で「紙」のままなのは『日本が〇〇大国』だから?偽造防止技術はパワーアップ!「タンス預金が掘り起こされ景気上昇」「キャッシュレスが進む」説も
では、なぜ紙幣を変える必要があるのか?一番大きい理由は「偽造防止」です。20年経つと、偽造する側の技術も進んでしまうため、ときが経つにつれて偽造が増えると世界的にデータで出ています。 また、こんなデータも。100万枚あたりの偽造紙幣の枚数は、ユーロで1200枚、ポンドでは2400枚あります(財務省の2021年の調査より)。印刷技術が世界一と言われる日本の円は優秀で100万枚あたり13枚です。警視庁の統計資料によりますと、2023年の偽札の発見枚数は681枚。ピークだった2004年の2万5858枚と比べると38分の1となっています。2000年代のはじめ頃に一気に偽札が増えたのは、カラーコピーが普及したからだそうです。現在は基本的に自動で検知してカラーコピーができなくなっています。 新デザインが出た後はやはり偽札の発見は一気に減っているため、今回も新紙幣の流通で偽札の増加を止められると言えるのかもしれません。
新紙幣に詰まった技術がスゴい!でもなぜ今回も紙?
新しい紙幣は技術もスゴいんです。紙幣では世界初の角度によって絵が動く3Dホログラム。透かしは肖像の周囲に模様があるなど高い技術が用いられています。目の不自由な方に向けたマークをさらにわかりやすくする、外国の方でもわかりやすいように数字が大きくなる、などの変更点もあります。 ちなみに、世界の紙幣の7割~8割に人の顔が使われていますが、その理由は人の顔だと少しでも違った場合に最も違和感に気づきやすいから、というのがあるようです。 外国の紙幣ではポリマー(プラスチック)の紙幣が増えていますが、なぜ今回も紙の紙幣になったのでしょうか。野村総合研究所の木内登英さんによりますと、プラスチック製の紙幣は▽耐久性が高い▽作り直さなくていいのでコストがかからない▽環境にも優しい▽ツルツルしていて衛生的にも良い、という長所がありますが、折り目がつきやすいという特徴があるということです。外国ではあまり気にしない“折り目”を日本が気にした理由の一つは自販機大国だから。自動販売機で紙幣が読み取りにくくなるのではないかということです。