まさに“主役”...夏の甲子園で覚醒したスター6人
第106回全国高等学校野球選手権大会が8月7日から阪神甲子園球場で開幕。深紅の大優勝旗をかけて、熱戦が繰り広げられる。例年プロ注目の逸材が実力を示す一方で、圧倒的な活躍を見せ、一躍ドラフト候補に名乗りを上げる選手もいる。今回は、夏の甲子園で覚醒した現役プロ野球選手を紹介したい 【表】夏の甲子園2024 組み合わせトーナメント表
吉田輝星(金足農業)
投打:右投右打 身長/体重:175㎝/83㎏ 生年月日:2001年1月12日 ドラフト:2018年ドラフト1位 「金農旋風」が巻き起こった第100回記念大会。立役者となったのが、現在はオリックス・バファローズで活躍する吉田輝星だ。 地元の公立高・金足農業に進学した吉田は、1年秋から主戦を任され、2年夏には秋田県大会決勝進出。しかし明桜(現ノースアジア大明桜)に敗れ、甲子園出場は逃した。迎えた最後の夏、絶対的エースとして地方大会を1人で投げ抜き、決勝戦では明桜に雪辱。“聖地”への切符を手にした。 甲子園大会では、1回戦・鹿児島実業(鹿児島)戦で9回14奪三振1失点と快投で初戦を突破すると、勢いのままに快進撃を見せる。吉田は準々決勝・近江(滋賀)戦まで4試合連続2桁奪三振、準決勝・日大三(西東京)戦まで5試合連続完投勝利を飾り、ついに秋田県勢103年ぶりとなる決勝戦に駒を進めた。 決勝では根尾昂(現中日ドラゴンズ)や藤原恭大(現千葉ロッテマリーンズ)らを擁し、世代最強と呼ばれた大阪桐蔭(北大阪)に敗れ準優勝となったが、全国にその名を轟かせ、同大会の主役となった。その後、北海道日本ハムファイターズへドラフト1位入団を果たした。
中村奨成(広陵)
投打:右投右打 身長/体重:181㎝/81㎏ 生年月日:1999年6月6日 ドラフト:2017年ドラフト1位 数々の大会記録を更新し、一躍甲子園のスターとなったのが広島東洋カープでプレーする中村奨成だ。 1年夏からレギュラーを掴み、3年時には潜在能力の高い捕手としてプロ注目の存在に。最後の夏、広島県大会では怪我の影響で出遅れたが、徐々に調子を上げていき、甲子園本戦で中村の打撃が覚醒する。 初戦の中京大中京(愛知)戦でいきなり逆方向へ2本のアーチを描くと、同試合から3試合連続本塁打を記録した。準決勝・天理(奈良)戦でもバックスクリーン弾を含む1試合2ホーマーを放ち、大会新記録となる6本塁打に到達した。 最終的に大会打率.679をマークし、本塁打記録に加えて打点(17打点)、塁打(43塁打)の大会新記録を樹立。安打(19安打)、二塁打(6本)も大会タイ記録となった。中村の猛打に導かれた広陵は、堂々の準優勝を果たしている。この活躍により、ドラフトでは2球団から1位指名を受け、抽選の末に地元・広島へ入団した。