【40代、50代・更年期の基礎知識 】「お風呂上がりの膣から湯漏れ」と「くしゃみで尿漏れ」の原因は?改善する骨盤底筋エクササイズとは?
膣のゆるみと、尿もれには、いくつかの原因があるが、両方に共通するのが骨盤底筋の衰えだ。原因と対処法を女性泌尿器科医の二宮典子さんに教えてもらった。
Q. 風呂上がりに腟から湯もれが…。これって腟の緩み?
A. 骨盤底筋と粘膜のケアで改善します 「お風呂から上がるときに腟から湯がもれる、腟からおならのような空気がもれる、またはセックスのときにパートナーから締まりがないと言われたなど、クリニックに腟の緩みの相談に来る患者さんは結構います。原因は女性ホルモンの低下のほかに、腟を支える骨盤底筋の衰えもあります。 もうひとつは腟全体を覆う粘膜が薄くなっているケースも。出産時に腟の入り口部分が肛門側に大きく開いたままになっていたり、無理なダイエットで骨盤底筋まで痩せてしまうことでも起こります。また、清潔を意識しすぎて、腟まわりを毎日強く洗いすぎると粘膜へのダメージに。この解決にも骨盤底筋を鍛えるエクササイズと正しいフェムケアが有効です」(二宮先生)
◆骨盤底筋とは 骨盤底筋は膀胱、子宮、肛門などの臓器を、ハンモックのように支えている筋肉。ここが衰えると、フェムゾーンに関するトラブルが現れやすくなる。
Q. くしゃみをするだけで尿もれが…。何が原因?
A. 「尿道の問題」「膀胱の問題」「その他の問題」が考えられます 「尿もれにはおもに3つのタイプがあります。そのひとつは尿道とそれを支える部位が弱くなることによる『腹圧性尿失禁』。くしゃみや咳など、腹圧がかかったときにもれがちです。 ふたつめは膀胱の柔軟性がなくなり、少しの尿量でも尿意を感じてもれてしまうもの。これを『切迫性尿失禁』といい、寒さを感じたときなどに突然起こります。このふたつの混合型もあります。 さらに考えられるのが、フェムゾーンの乾燥などでイガイガしたかゆいような症状が起きることで、尿意を感じてもれてしまうケースです。いずれの尿もれにも骨盤底筋トレーニングや正しいフェムケアが役に立ちます」
《尿もれの3つのタイプ》 ●腹圧性尿失禁 女性の短い尿道とそれを支える部位が弱ることが原因。くしゃみや咳、重い物を持つなどして腹圧がかかったときにもれる。 ●切迫性尿失禁 尿を貯蔵する膀胱が柔軟性を失い、少量でも尿意を感じるように。水の音を聞いたり、寒さを感じるなどで突然尿意を感じてもれる。 ●その他の原因 そのひとつがフェムゾーンの乾燥によりイガイガかゆくなることで、強い尿意を感じるケース。これは洗いすぎが原因のことも。