１１月１日に開幕する春の高校バレー岩手県大会の注目校・男子の盛岡南高校は、２０２５年春の統合を前に「盛岡南」として臨む最後の公式戦となる。 名門の誇りを胸にラストイヤーでの岩手県内３冠を狙う。 堅い守備と速い攻撃を誇る第１シードの盛岡南（男子）は、２０２５年春に統合を控えているため「盛岡南」で挑む公式戦はこの春高が最後となる。 かつて春高バレーの全国大会が３月に開催されていたときは、県大会で５連覇も果たし最多優勝を誇っている。 ４２年目を迎えた名門は岩手のバレー界の先頭を走ってきた。 ラストイヤーとなる特別なシーズンは快進撃を続けている。 １月の新人戦で９年ぶりの優勝を果たすと、５月の県高総体でも９年ぶりの優勝を飾った。 盛岡南３年　佐々木綺斗主将 「盛岡南高校は伝統がある高校なので恥じないプレーをしていきたいし、最後は３冠という形で結果でたくさんの方に恩返しをしたい」 スタメン６人の平均身長は１７４．５ｃｍと決して高くはない。そして中学時代に県選抜メンバーに選ばれた選手は１人もいない。 それでも筋力トレーニングを効果的に取り入れ、パワーをつけ心を磨いてきた。 ディフェンスの、そして精神面の柱が佐々木綺斗キャプテンだ。監督に「盛岡南の４２年の歴史を締めくくるにふさわしいキャプテン」と言わしめるリーダーシップが光る。 １０月２３日に行われた学校として最後の体育科の発表会では、１００人の生徒の代表を務めた。 盛岡南３年　佐々木綺斗主将 「自分たちの武器は粘り。ボールを落とさない守備の要として戦っていきたい」 チームのエースはオポジットの山口大良選手（３年）。 元々セッターだったが２０２３年の春高県大会でアタッカーにコンバートされ、今はチーム最大の得点源となっている。 盛岡南３年　山口大良選手 「戦略をセッターと一緒に考えることがアタッカーとしての力を引き出している」 ブロックをかわし強烈なスパイクを打つ佐々木優成選手（３年）は、２０２４年夏、ビーチバレーの県代表としてプレーした。 盛岡南３年　佐々木優成選手 「守備範囲や視野が広くなり柔軟に対応できるようになった。３冠を取って終わりたい」 さらに、前へ後ろへ正確なトスを供給するセッターの吉田拓真選手（３年）、鉄壁のブロックで立ちはだかるミドルブロッカーの田村悠人選手（３年）の５人の３年生が自分たちの、そして学校のラストイヤーに思いをぶつける。 マネージャーにも３年生がいる。佐々木佳菜絵さんは後輩と２人で多いときは１日に１０合の米を炊き、練習の前と後に食べるよう２３人分のおにぎりを作る。 マネージャー　佐々木佳菜絵さん（３年） 「選手が全力でパフォーマンスできるように思いを込めて握っている。最高のプレーをしてほしい。そして優勝して春高（全国）の舞台に連れて行ってほしい」 「連れて行ってほしい」という言葉に選手たちは「“連れて行く”ではない」と強調する。 盛岡南３年　山口大良選手 「マネージャーの力がないと自分たちも ここまで来られなかった。最後は全員で、“全員の力”で春高（全国）に行きたい」 かつて盛岡南のエースとして春高全国で白星を挙げた相馬高志監督とともに、４２年の歴史を締めくくる大切な大会だ。 ラストイヤーで県内３冠へ、２１年ぶりの優勝を狙う。