スタート前1時間の使い方でスコアに差が出る!? マネして損はない上級者の時短準備術とは?
練習グリーンでは振り幅と距離感、打ち出し方向のズレを確認
続いて練習グリーンです。多くの人はカップに向かってボールを打つので、どうしてもカップ周りに人が集まり混雑します。でも上級者ほど自分の場所を確保し、タッチの確認を優先する傾向が見られます。 タッチの確認とは、パッティングにとって重要な距離感と方向性の確認のことで、具体的には自分の振り幅と出球の傾向をつかむ作業です。
出球の傾向は、ボールのすぐ先にイメージしたスパットに向けて正しく真っすぐにボールが出ているか、ズレているのならば左右のどちらにどの程度なのかを確認します。その確認によって、ラウンド中のグリーンの読みに対してどのくらい曲がりをみて打つかの参考材料にします。 またショートパット時に、その日の引っ掛け、押出しの傾向に合わせてカップ内の左右の狙いを決めます。 さらに練習グリーンでは、気持ちよくストロークできる自分なりのリズムと振り幅で打ったときに、どのくらいの距離を転がるのか、グリーンのスピードとイメージのギャップを確認します。思っているよりも速いか遅いかだけを確認して、ラウンドに臨むのです。ただし実際の一般営業コースの本グリーンでは、練習グリーンとスピードが異なる場合もよくあるので、一応の目安くらいに留めておきます。
練習の仕上がりよりも万全な準備を最優先する
ちなみにですが、スタート前ギリギリまで練習場や練習グリーンにいる上級者はほとんどいません。むしろスタート時刻に対して、かなり余裕を持ってカートに集まり、小物やアクセサリー類の用意を行っています。
スイングやショットを万全にすることよりも、プレー以外の部分で慌てない&焦らないために、ティーやボールマーカー、グリーンフォークや目土などの準備にあてるのです。 上級者は、スタートしてからもショットの傾向や調子に合わせたマネジメントするための「様子見」を3ホールくらい行っています。スタートホールからアクセル全開でプレーするイメージを持っていないのです。 それはうまい人だからではなく、経験をとおしてうまくいったルーティンを行なっているだけなのです。表面上だけでもスタート前の練習をマネしてみると、いつもと違った感覚が持てるかも知れませんので、ぜひやってみてください。
【解説】筒 康博(つつ・やすひろ)
伝説のプロコーチ・後藤修に師事。世界中の新旧スイング方法を学び、プロアマ問わず8万人以上にアドバイスを経験。スイング解析やクラブ計測にも精通。ゴルフメディアに多数出演するほか「インドアゴルフレンジKz亀戸」ヘッドコーチ、WEBマガジン&コミュニティ「FITTING」編集長やFMラジオ番組内で自らコーナーも担当している。
猿場トール