<ラグビー>サンウルブスのHCは地道な苦労人。「礎を作る」。
来年2月に開幕する世界最高峰のスーパーラグビーに初参戦する日本チーム「サンウルブズ」のヘッドコーチHC並びに参加するスコッド34人が21日、都内で発表された。 初代ヘッドコーチを託されたのは、元ニュージーランド代表で、スーパーラグビーに所属しているハリケーンなどの監督を務めたマーク・ハメット氏(43)。会見に出席したハメット新HCは、「大きな責任がある。2019年に向けて成長させていかねばならない。全部が同じというわけではないが、日本代表との連携を深め、チームの礎を築きたい」と抱負を語った。 また34人のメンバーは、日本協会が中心になって先のワールドカップ・イングランド大会で活躍した堀江翔太、大野均、真壁伸弥、日和佐篤、山田章仁ら、15人の日本代表経験者と、5人のスーパーラグビー経験者の外国人プレーヤーが選ばれた。会見には、WTBの山田章仁(30、パナソニック)、PRの垣永真之介(24、サントリー)、SHの矢富勇毅(30、ヤマハ)、スーパーラグビー経験者のLO、エドワーク・カーク(24)の4人が出席、先のW杯には選ばれなかった垣永が「おっしゃー!」と気合を入れて登場。一人ひとりがコメントを求められ先輩の山田が、「あれだけ叫ぶなと言ったのになぜ?」と理由を問いただし「元気の良さを伝えるためにパフォーマンスをさせていただきました」と、笑いを誘う場面もあった。 ハメット新HCは、オールブラックスのキャップ数29を持つフッカーで、1999年、2003年と2度W杯に出場している。スーパーラグビーのクルセイダーズでも、81のキャップ実績があり、3度の優勝を経験。引退後、5年間は、現在、パナソニックのHCで、日本代表監督候補にも挙がったロビー・ディーンズ氏の下で、クルセイダーズのアシスタントコーチを務め、3度の優勝。その経験を買われて2011年から4年間、ハリケーンズのHCを務めたが、上位の成績を残せなかった。それでもニュージーランド協会認定のエリートコーチに選手されている。 ジャパンエスアール、業務執行理事CEOの上野裕一氏は、「日本協会とも議論を重ね、何度か本人と話しをしてオファーした。派手さはないが、ポジションがフッカーだったように、地道に基礎を作れる人。世界を知っているしスーパーラグビーで勝った実績もある。第一人柄が素晴らしい。最適な人」と、初代監督に任命することに至った経緯を説明。 日本代表監督には、同じく元オールブラックスで日本のサニックスでもプレー、日本代表FWとしてW杯出場経験を持ち、今季はスーパーラグビーのハイランダーズHCとして優勝したジェイミー・ジョセフ氏(46)が、就任することが内定していて、ラグビー観が共通している“ニュージーランドタッグ”でサンウルブスと日本代表チームの連携を深める意味もあったようだ。